
まあ、私も2回目の子育てをやってましてね、自分の人生とか顧みたときにですよ、なにが大事かっていって、親がやってあげられることっていうのは、自己肯定感を上げる以外ないんじゃないのかなと思いましてね。

よく「行動が先か、自信が先か」みたいな議論がありましてね、「行動するから結果が出て、自信が身に付くんだ」みたいなのがあるんですけど、「じゃあ、そもそもの1回目の行動はどうすんだよ?」っていうのが非常に疑問でして、わたくし。

「自信がない」っていうのも「自信がある」っていうのも、「実績はないけど、俺はなんかできそうだ」っていうのと、「やったことないけど、たぶん自分には無理」っていうのと、どっちにしろ勘違いじゃないですか。やったことないわけですから。

「できなくても価値があるよ」っていう、すべてのベースですよね、この世に生を受けたということのすばらしさみたいな、で、「ママはそこをわかっているよ」っていうところでいいのかなと。さらに、たとえばそこから飛び出してなにかチャレンジするときに、「失敗してもここに戻ってこれる」みたいな安全地帯というんですかね、そっちを大事にしていて、「勘違いする・しない」「根拠のない自信のある・なし」は、ちょっと、まあ、わかんないですね、私が与えられるかどうかわかんないんですけど、性格とか持って生まれたものも結構大きいんじゃないかなという気もするんですけど、でも、私も、根拠のない自信がそんなにあるほうじゃないので、それは、ちょっと、まだわかんないですね(笑)欲しいし、あったほうがいいとは思います。

ツイッターでね、そういう「勘違いが大事」って書いたときに、まったくそれと同じように、「勘違いしつづけて、ろくでもない大人になってる人もいますよ」みたいなことをコメントとして書かれて、なるほどねっていう感じで。

まあ、なんていうんでしょうね、いや、ほんとに栃尾さんのおしゃるとおり、結局、描いた絵がうまいかどうかとか、それで食っていけるかどうかっていうのは大した問題ではなく、その絵を描く行為とか、なにか興味があることをやる行為に対して、全肯定してあげるっていうね。でも、それもまた勘違いじゃないかなっていう気もするんですよ。勘違いというのは、「親は俺を全肯定してくれる」って思ってるという勘違いですよね。

ということがやっぱり大事なんじゃないのかなあって。だから、自信を持つのも、自信をなくすのも、自己肯定感が高いのも低いのも、すべて自分の思い込みからスタートするんで、いい思い込みをさせてあげるというか。

って思ってたんですけどね、僕は。「なんで自分は18でいきなりアメリカにひとりで行けたんだろうか」とか、「25で、なんで会社つくったりできたんだろうか」って考えたときに行き着いた結論が、「親がすばらしい人だった」ということでいいのかもしれないんですけど、もう一歩深く踏み込んでみるとですね、「……と、自分は信じていたんだな」っていう。

だから、僕も18でアメリカ行ったとき、自分は日本ではデカいほうだったんですけど、めっちゃ、ちっちゃいんですね。だから、まわりに自分より力持ちがいっぱいいれば、そのなかでいちばん力が弱いのに、「自分は力仕事がいちばん得意だ」とはならないと思うんですね。

「勉強したらほめる」とか「片付けたらほめる」とかになっちゃうんですけど、やっぱり、そういうんじゃなく、ほんとにその子自体を肯定するっていうかね、それが大事なんだなあと思う今日このごろ、ということです。
*本ぺージは、2022年10月12日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから
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