第82回 楽して儲かる方法

 // 本コラム「原因はいつも後付け」の紹介 //
原因と結果の法則などと言いますが、先に原因が分かれば誰も苦労はしません。人生も商売もまずやってみて、結果が出たら振り返って、原因を分析しながら一歩ずつ前進する。それ以外に方法はないのです。28店舗の外食店経営の中で、私自身がどのように過去を分析して現在に至っているのか。過去のエピソードを交えながらお話ししたいと思います。

「楽して儲かる方法はないものか?」

こんな事を考えた経験があるのは、私だけではないと思います。
そして、こうした考えが頭に浮かんだ時、私たちはつい「儲かりそうな商売」自体を探そうとしてしまいがちな気がします。

でも、私自身の経験を振り返って考えてみると、楽して儲かる方法の答えって、実は自分の外側ではなく、自分の内側にあるような気がするのです。


私が思う、楽して儲かる方法の答え。
それは「自分の好きなことを商売にする」こと。
こんな事を書くと、

「何を夢みたいなことを言ってるんだ」
「そんな事で稼げたら誰も苦労はしないよ」

そんな風に思われる方が大半かも知れません。

でも私、思うんですよね。
商売で稼ぐためには改善と継続が欠かせないのであれば、この2つを苦労と感じない商売を選ぶことこそが、楽して儲かる商売に近づく方法なのではないかと。

つまり「楽する」とは、何もしないという事ではなく、他人にとっては苦労だと感じることでも、自分にとっては楽に感じるということ。

私が選んで開業したバーという商売。
私がもし、この仕事を選んだ根拠が「楽して儲かりそうだから」という理由だったとしたら、間違いなく途中で諦めていたでしょう。なぜなら、開業してしばらくは全く儲からなかったからです。

じゃあ、何で儲からないのに改善をしながら継続することができたのかと考えてみると、その答えはやはり「自分の好きなこと」だったからだと思うのです。

他人には継続が難しくても、自分にとっては継続するのが難しくないこと。
そして、他人には改善策を考えるのが苦労でも、自分ならその過程すら楽しめること。

つまり、「他人の苦労が自分の楽」であること自体が強い競争力であり、この競争力を持てる方法こそ、自分の好きを選ぶことなのではないでしょうか。

どこかに誰でも楽に儲かる方法があるのではなく、自分が苦労を感じずに楽しめることで改善と継続を繰り返した結果、儲かるようになる。

これが、私の考える「楽して儲かる方法」の答えなのです。

 

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著者/辻本 誠(つじもと まこと)

<経歴>
1975年生まれ、東京在住。2002年、26歳で営業マンを辞め、飲食未経験ながらバーを開業。以来、現在に至るまで合計29店舗の出店、経営を行う。現在は、これまで自身が経営してきた経験をもとに、これから飲食店を開業したい方へ向けた開業支援、開業後の集客支援を行っている。自身が経験してきた数多くの失敗についての原因と結果を振り返り、その経験と思考を使って店舗の集客方法を考えることが得意。
https://tsujimotomakoto.com/

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