第250回 岸田政権と税金の未来

この記事について 税金や、助成金、労働法など。法律や規制は、いつの間にか変わっていきます。でもそれは社会的要請などではないのです。そこには明確な意図があります。誰が、どのような意図を持って、ルールを書き換えようとしているのか。意図を読み解けば、未来が見えてきます。

第250回「岸田政権と税金の未来」


安田

ひとり4万円の減税をしたのに、岸田政権の支持率が下がっちゃいました。減税して支持率下がるって前代未聞らしいです。

久野

すごいですよね。なかなか気の毒ですよ。

安田

「単なる人気取りだ」って言われて。でもそんなこと言ったら、政治家なんてみんな人気取りじゃないですか。そもそも減税なんて人気取り以外の何ものでもないし。

久野

私はこんな減税いらないと思うんですけど。

安田

4万円を減税するより「消費税を下げた方がいい」っていう意見が多いです。

久野

消費税の方が平等だなとは思います。けど消費税も下げる必要はない。

安田

消費税も?

久野

消費税って唯一平等な税金じゃないですか。

安田

確かにそういう側面はあります。たくさん使った人がたくさん払うっていう。所得税はなぜ減税に反対なんですか?

久野

所得税の減税に関しては「そもそもわかりますか?」っていう話で。

安田

分かりやすいですけど。みんな4万円安くなるっていう。

久野

安田さんは所得税の計算方法とか理解してますか?

安田

いや。分からないですね。単に手取りが4万円増えるものだと思ってました。

久野

おそらく年末調整で1回だけ戻ってくるという話で。一時的に減ったとしても、後からまた増税で精算させられるじゃないですか。

安田

そうなんですか?

久野

要は4万円だけ税金が返ってくるという話で。その分必ずどこかで増税されます。

安田

意味ないですね。

久野

そうなんですよ。

安田

じゃあやっぱり消費税でしょうか。消費税は「お金がない人ほど負担が大きい税」だって言われてます。

久野

確かに生活必需品を買わなきゃいけない割合は低所得者の方が多い。でも基本的に世の中は金持ちがたくさんお金を使っているわけで。

安田

お金持ちがたくさん払うのが消費税だと。

久野

たくさん使った人が払う。たくさん使えない人はあまり払わない。消費税ってすごく平等だと思います。

安田

稼ぎから天引されたら稼ぐ気がなくなりますからね。私も使った時に取られる方が納得感はあります。

久野

稼ぐ意欲も湧くじゃないですか。所得税は稼ぐ意欲を削いでるだけなので。

安田

使う使わないは本人の自由ですしね。

久野

そうなんですよ。前澤さんなんて気持ちいいぐらい消費税を使ってるじゃないですか。

安田

いくら払ってるんでしょうね(笑)

久野

ああいう人がたくさん納税してくれて日本社会が成り立ってるわけです。日本人はたくさん買った人を妬む文化ですけど。

安田

ひがみ文化ですよね。

久野

本当は「消費税をこんなに納めてもらってありがとうございます」ってX(Twitter)にも書かないと。そういう文化にした方がいい。

安田

「資産に税金をかけろ」とも言われてますけど。これはどう思いますか?

久野

一理ありますよね。収入は少ないけどすごく資産を持ってる人に、もう少し医療負担をしていただくとか。

安田

私も賛成です。本当に困ってる人はサポートしたらいいですけど。余計なところにお金を撒きすぎじゃないかと思います。

久野

だから消費税が平等でいいんですよ。

安田

消費税を上げて所得税を下げるのはどうですか?

久野

さっきも言いましたけど単発的で下げるのは意味がないです。下げるなら恒久的に下げていかないと。

安田

「恒久的に所得税を15%下げます」って言ったら、岸田政権の支持率は上がりますか?

久野

めちゃくちゃ上がるんじゃないですか。やれるかどうかは別問題として。反対する人はいないんじゃないですか。

安田

やるとしたら消費税を20%ぐらいにしないと。

久野

いいんじゃないですか。僕は消費税が1番平等だと思ってますから。

安田

消費税を上げると消費が減るって言われてますけど。

久野

言われてますけど、やっぱり人間には使いたい欲求があるので。恒久的に手取りが増えたら使うと思います。

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久野勝也 (くの まさや) 社会保険労務士法人とうかい 代表 人事労務の専門家として、未来の組織を中小企業経営者と一緒に描き成長を支援している。拠点は愛知県名古屋市。 事務所HP https://www.tokai-sr.jp/  

安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

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