この記事について 税金や、助成金、労働法など。法律や規制は、いつの間にか変わっていきます。でもそれは社会的要請などではないのです。そこには明確な意図があります。誰が、どのような意図を持って、ルールを書き換えようとしているのか。意図を読み解けば、未来が見えてきます。
第251回「出る杭を打っている限り国力は回復しない」
安田
久野
安田
初めてアメリカに行った1983年頃は200円を超えてました。
久野
安田
久野
安田
少なかったです。そこから円高になって留学生がどんどん増えていきました。
久野
安田
そうです。ジャパン・アズ・ナンバーワンの時代。とにかく経済が強くてエコノミックアニマルとか言われてました。
久野
アメリカからの圧力で労働時間がどんどん減らされていって。今では日本の労働時間は先進国の平均以下ですからね。
安田
もはや日本はアメリカにとっての脅威ではなくなりましたね。1ドル150円は今の日本の国力からすると妥当なところでしょうか。
久野
まあそうですよね。ただ悲しいのは、他の国に比べて日本だけいい要素がないこと。この先さらにキツくなっていくのだろうと思います。
安田
名目GDPもドイツに抜かれて4位に転落したそうです。
久野
1人当たりの生産性はかなり前に抜かれています。ドイツの人口は日本よりかなり少ないので。
安田
ドイツは借金もないそうで。同じ敗戦国で、同じモノづくり国家なのに、なぜこんな差が生まれたのか。
久野
雇用のあり方がぜんぜん違います。日本が衰退していく原因って結局これじゃないかと思うんですけど。
安田
久野
いま先進国はガソリンから電気に変わっていくタイミングですよね。こういう時には人も変わらなきゃいけない。けど日本ではそのまま放置してる。
安田
久野
ドイツでは無理やり仕事を変えたり職業訓練を積ましたりしてます。
安田
久野
もちろん、そういう技術の伝承もちゃんとやっていて。国家としていろんな変化にチャレンジして取り組んでます。
安田
時代の変化に合わせて国が政策を変えていくのは当たり前だと思うんですけど。日本が変われないのは過去への執着ですか。それとも既得権益の問題なのか。
久野
やっぱ変化に弱いんでしょうね。究極まで壊れないと変化しないっていう。
安田
もう電気産業は軒並みダメで。車もトヨタ頼みで。「トヨタだけは守らなくちゃ」みたいになってますけどトヨタと心中するのは嫌です。
久野
まあ日本としてはトヨタを外せないですよ。それはもう国家戦略だと思う。
安田
そうやって徐々に死んできたわけじゃないですか。家電と共に沈んで、半導体と共に沈んで、次は車ですか。
久野
安田
トヨタはトヨタで頑張って欲しいですけど。国をあげて応援するならもっと新しい産業でしょう。シリコンバレーみたいな街を作って最先端の会社を生み出すとか。
久野
アメリカや中国は街ごとイノベーションしていきますから。そこにいい人材もどんどん集まってきて。
安田
「今の延長線上では厳しい」ってみんなわかってる気がするんですけど。トヨタを守ってるだけではいずれジリ貧になる。だって過去の延長でしかないんですから。
久野
安田
久野
政府も一生懸命やってるんですよ。今更って思えるかもしれないですけど。
安田
国が投資先を決めるとまた失敗しそうな気もしますけど。
久野
最近読んだ本に「一番いいのは邪魔しないこと」だって書いてありました。
安田
私もそう思います。イーロン・マスクみたいな人が出てきた時に、邪魔しないで規制せずにお金も人も集めやすくしてあげる。
久野
安田
日本人がいちばん苦手なやつですね。ちょっと有名になると一斉に叩かれますから。
久野
一斉に叩いて、ウイニーみたいに最後は消し去っちゃう。
安田
出る杭を打ちまくってきた結果がこれってことですね。
久野
そうです。出る杭を応援して、みんなそれに乗っかっていくスタイルにしないと。もう日本に未来はないですよ。
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安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。