2011年に採用ビジネスやめた安田佳生と、2018年に採用ビジネスをやめた石塚毅による対談。なぜ二人は採用ビジネスにサヨナラしたのか。今後、採用ビジネスはどのように変化していくのか。採用を離れた人間だけが語れる、採用ビジネスの未来。
前回は 第271回「国内語学留学の真相」
第272回「仕事はどこまでリアルに戻るのか」
コロナが落ち着いてリモート勤務も減ってきているらしいです。
おっしゃる通り。Zoom社の業績も頭打ちになってますよ。
コロナですごく伸びましたもんね。
そうなんです。コロナでみんな強制的にフルリモートだったじゃないですか。
私はコロナがなかったら今でもアナログだと思います。オンラインミーティング反対派でしたから。
ホントそうですよね。慣れてしまうと「オンライン便利だな」って離れられない。
私と同世代の社長さんはコロナでリモートが上手になりました。画面共有とかも余裕でやりますから。
「ちょっとすみません。画面共有しますね」みたいな。みんな上手になって(笑)
そうそう(笑)でもzoom社の業績は頭打ちなんですね。
オンラインミーティングだけじゃもう限界ですね。zoomの技術を活かして色々やっていかないと。
いろいろ出来そうですけどね。
遠隔技術を使った新たなビジネスを考えてると思います。これだけ短期間でオンライン習慣が身についたのはZoomの功績だし。
いや本当に。私も感謝してます。だけどイーロンマスクは怒ってましたね。「仕事をやる気があるなら出社してこい!」って。
アメリカ人は「家で仕事させろ」って人がものすごく多いんです。
そのために転職しちゃうそうですね。日本人は素直なので「出てこい」って言われたらみんな出てくるけど。
日本の場合は2極化してると思います。今まで3日在宅で良かったのが「週1になったんです」って人は割と多くて。
多いですよね。
一方で、フルリモートに近いままコロナと同じワーキングスタイルの方も、それなりに一定数残っています。
出社はさせるけど、仕事はほとんどリモートという会社もありますよね。お客さんのところに行くと交通費もかかるし、効率も悪いし。
そういう会社も多いです。ナレッジの共有を目的に出社させて、営業や納品はオンラインで行う。
マネジメントする側の問題もあるみたいです。管理しにくいから出てこさせたがる。
見ていてちょっと厳しいなと思うのは新人教育ですね。これはオンラインでは難しいと思います。
あー、なるほど。
戦力化するところまではリアルでやらないと。リモートだけで戦力化するのはよっぽど優秀な人なので。なかなかいないですよ。
完全にオンラインだけでビジネスが成立するようになったら、すごく便利だと思いますけど。
あと2年コロナが続いてたら、完全にオンラインになったと思います。
そうですか。
5年もあの状況が続いたらさすがに全部オンライン対応しますよ。もう元には戻せなかったでしょうね。
変わったものを戻すのは大変ですからね。Zoomミーティングも無くならないでしょう。
だって便利なんですから。便利なもの知っちゃったら、それは絶対になくならない。
納品した商品の説明なんかもオンラインにして。人が訪問して説明する場合は別料金を取るとか。
それは十分あると思います。
個人的には仕事がすごく楽になりました。「オンラインだけです」って言っても「あーそうですか」で済んじゃうから。
「リアルな安田さんに会いたい」って人もいるでしょう?
たまにいらっしゃいます。
この前リアルでイベントやってましたよね?あれ盛り上がったんじゃないですか。
盛り上がりました。リアルイベントは残ると思います。
安田さんの仕事なら8:2ぐらいがいいんじゃないですか。
8がオンラインで2はリアル?
そう。2で会えることで、また安田さんのプレミアが上がったりする。
確かに2は大事ですね。
2は大事ですよ。0にはならないんです。人間だから。
石塚毅
(いしづか たけし)
1970年生まれ、新潟県出身。前職のリクルート時代は2008年度の年間MVP受賞をはじめ表彰多数。キャリア21年。
のべ6,000社2万件以上の求人担当実績を持つ求人のプロフェッショナル。
安田佳生
(やすだ よしお)
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。