第355回「経営者が手に入れるべきは自分専用AI」

この記事について

2011年に採用ビジネスやめた安田佳生と、2018年に採用ビジネスをやめた石塚毅による対談。なぜ二人は採用ビジネスにサヨナラしたのか。今後、採用ビジネスはどのように変化していくのか。採用を離れた人間だけが語れる、採用ビジネスの未来。

前回は 第354回「焼肉という業態について」

 第355回「経営者が手に入れるべきは自分専用AI」 


安田

小さなクリエイティブ会社がニュースになっていました。AIを使って5日かかっていた仕事が半日で済むようになったと。

石塚

これすごいですよね。

安田

情報をまとめたり提案書を作ったりする仕事って、AIの得意領域ですから。

石塚

月3000円でGPTが使い放題だし。

安田

私も使っていますけど凄いですよ。自分専用のAIまで作れてしまう。過去2年分ぐらいのメルマガを読み込ませると1冊の本にしてくれて。章立てまで考えてくれる。

石塚

イラストでもAIを使ってますよね?

安田

SNS投稿のイラストはAIです。ほんと上手に作ってくれます。

石塚

生成自体は30秒もかかんないから。

安田

はい。一瞬ですね。

石塚

もうイラストレーターさん要らないですよね。

安田

ロゴや挿絵を作る仕事はAIで十分ですね。

石塚

有名なイラストレーターやデザイナーは別でしょうけど。そこに満たないレベルだったら、もうAIでいいってことですよ。

安田

ランサーズに発注してきたような仕事は無くなるでしょうね。

石塚

地方の中小企業が生き残るための解決策って、これじゃないかと思います。

安田

AIってことですか?使いこなせるかどうかですよね。

石塚

そこは全力で取り組むべきですよ。現場の技術仕事以外は全部こっちでいい。

安田

見積もりを作るとか?

石塚

提案書も営業管理資料も作れますよ。

安田

図面もAIでベースを作って人間が仕上げていくとか。それで十分かもしれません。

石塚

今は60代のベテラン社員も多いから。AIのサポートを付けて、ちょっと日数や就業時間を減らしてあげて、やれる限りやってもらう。

安田

経営者の仕事にも使えますよね。AIは。

石塚

もちろん。マーケット調査から、新しい事業アイディアから、AIと壁打ちしながら経営していく時代になるでしょう。

安田

自分専用のAIも育てられるし。石塚さんだったら今まで作った求人票を全部読み込ませて。「石塚式プロファイリングを5パターン考えてください」みたいな。

石塚

実は今も使ってるんですよ。まだ一部分だけだけど。

安田

やっぱりそうですよね。本当に石塚さんが作ったような求人票まで書いてしまう。もちろん最後は手直しが必要でしょうけど。

石塚

今まで3時間かかっていたものが15分ぐらいで終わりますよ。

安田

あらゆるスペシャリストが自分専用のAIを作る時代ですよね。

石塚

はい完全同意です。僕もプロンプトの勉強をしていまして。もう下手なコンサルよりchatGPTと会話した方がよっぽどいい。

安田

財産として家族に残すこともできるし。それだけで食べていけちゃうかも。

石塚

テクノロジーの進化って人を幸せにしますね。電子メールが誕生した時も経営者への神様からの贈り物って言われたけど。

安田

神様からの贈り物ですか?電子メールが。

石塚

経営者がすごく楽になったんですよ。メールがなかった時代はいちいち電話で対応して。

安田

確かに。昔の経営者ってずっと電話してましたね。

石塚

これからはメールをチェックする必要もなくなりますよ。

安田

AIがチェックして「これとこれは社長が確認してください」みたいな。

石塚

返信もAIが書いてくれて。「これで問題なければ送付します」みたいな。

安田

しかも社長が書いたかのように書いてくれますからね。

石塚

そうそう。

安田

やはり経営者は自分専用のAIを育てなくちゃいけないですよ。

石塚

同時にAIによって自分も育っていくから。

安田

業界や地域で最初にそれをやった社長が勝ち残っていく気がします。

石塚

僕もそう思いますね。日本の経営者はAIへの取り組みが圧倒的に少ないから。

安田

先にやった人が勝ちますよね。

石塚

生き残りたいんだったら経営者はここに一番力を入れるべきですね。まず自分がやって社内にも広めて。

安田

AIって意外と簡単ですからね。分からないことがあればAIが教えてくれるし。

石塚

いや、ほんと。googleで調べなくなりましたもん。

安田

使いながら教えてくれるって凄いですよ。

石塚

経営者は全員使うようになるでしょうね。問題はいつ始めるかってこと。ここで出遅れるのは致命傷になる。見逃しちゃいけない時代の変化ってあるんですよ。

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石塚毅
(いしづか たけし)
1970年生まれ、新潟県出身。前職のリクルート時代は2008年度の年間MVP受賞をはじめ表彰多数。キャリア21年。
のべ6,000社2万件以上の求人担当実績を持つ求人のプロフェッショナル。

安田佳生
(やすだ よしお)
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

 

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