さよなら採用ビジネス 第96回「アフターコロナは好き嫌いの世界」

この記事について

7年前に採用ビジネスやめた安田佳生と、今年に入って採用ビジネスをやめた石塚毅による対談。なぜ二人は採用ビジネスにサヨナラしたのか。今後、採用ビジネスはどのように変化していくのか。採用を離れた人間だけが語れる、採用ビジネスの未来。

前回は 第95回『ドミノが倒れ出す日』

 第96回「アフターコロナは好き嫌いの世界」 


安田

コロナ後の世界についてどう思います?

石塚

あと1か月で終わるのか。それとも1年以上かかるのか。すぐに自粛解除しないと元に戻らないことだけは確かですね。

安田

一番変わるのは何だと思いますか?「ビフォーコロナ」と「アフターコロナ」で。

石塚

ホワイトカラーの働き方。

安田

それはいわゆるリモートワークみたいな?

石塚

リモートワークをやったことで「べつに会社行かなくてもいいんじゃないの?」という考えが浸透していく。

安田

私は大企業の仕事現場を見たことがないんですけど。行く必要あるんですか?

石塚

見たらビックリしますよ。

安田

少なくとも、あの地獄のような満員電車は自分には無理です。よくみんな我慢してると思う。

石塚

半分以上は惰性だと思います。

安田

じつは会社に行く必要なんてない?

石塚

ホワイトカラーに関して言えば。だってテレワークに変えても仕事に影響なかった。

安田

森ビルが危機感もってるらしいですね(笑)

石塚

企業が次に考えるのは「こんなにオフィススペースいらないよね」ってことですから。

安田

出勤しないんだったら必要ないですもんね。しかも都心の一等地ですから。大企業のオフィスは。

石塚

本社だってたまに来るだけなら「不便で安いとこでいいんじゃない」となる。

安田

企業もシビアですもんね。

石塚

フリーランスも変わると思いますよ。

安田

どう変わるんですか?

石塚

シェアオフィスとか借りてるじゃないですか。あれも「いらないじゃん」っていう。

安田

打ち合わせもzoomで出来ちゃいますしね。

石塚

スターバックスで打ち合わせしたっていいわけだし。

安田

まあそうですね。

石塚

シェアオフィスだのレンタルスペースだのは、事業として飛んじゃうんじゃないかとすら思います。

安田

なくなるってことですか?

石塚

なくなるかもしれない。それほど大きなインパクトを与えたんじゃないですか。今回のコロナは。

安田

レンタルオフィスにすら行かなくなると。

石塚

だって僕も行かないですもん。

安田

まあ私も行きませんけど。

石塚

結局あれって登記と名刺の住所だけですよ。必要なのは。

安田

でも「家では仕事ができない」って人も一定数いますよ。

石塚

まあ環境によってやりにくさはあるでしょうけど。

安田

家族もいるし、家のこともやらないといけない。集中できないとか、環境を変えたいとか。あえてシェアオフィスやレンタルオフィスを借りる人っていますよ。

石塚

でもアフターコロナは経費節減しないと生きていけない。必要に迫られてやってるうちに慣れると思います。

安田

慣れますかね。私はもともと家が好きなので、まったく問題ないですけど。

石塚

僕も家で仕事するのは何の苦にもならないんですよ。

安田

嫌だって人の気持ちもわかります。仕事がやりにくいとか、そもそも家は居心地が悪いとか。

石塚

家が居心地悪いのはまた別の問題です(笑)

安田

ですね。仕事よりもまずそっちを解決しないと。

石塚

でも居心地どうこう言っても、感染症のリスクが上がったら家でやりますよね。

安田

まあこれはアフターコロナの予測ですから。感染は落ち着いたって状態。

石塚

落ち着きますか?この自粛騒動、ひょっとしたらもっと続くかもしれませんよ。

安田

可能性は大いにありますね。抗体ができて集団免疫ってところまでは行くには。

石塚

新しい病気が出てくるかもしれないし。

安田

でも1年も2年も「家から出ないで」っていうのは無理じゃないですか。

石塚

外出禁止は無理でしょうね。

安田

「それぞれが自粛する」ってのは、そんなに長くは続かないと思う。

石塚

1か月自宅でやったら「慣れちゃった」って人も結構出てきてます。

安田

絶対無理って人もいますけどね。

石塚

「カフェで十分」とはなりませんか。

安田

私は逆にレンタルスペースが増えると思いますけど。

石塚

レンタルスペースが増える!?

安田

はい。企業さんがオフィスを持たなくなって。

石塚

ああ、そっちのニーズですね。

安田

本社がレンタルオフィスになるとか。それに自宅で仕事できない人がやはり一定数はいると思う。家族と一緒だとやりにくいとか。

石塚

朝早く起きてやったら、家族に会う前に仕事が終わっちゃうかもしれませんよ。大手企業の仕事ってそんなもんなので。

安田

え!そんなもんしかないんですか?

石塚

余計な会議とかをなくして集中してやったら、朝5時から7時で終わる。家族が起きてくる頃には大方終わっちゃった、みたいな。

安田

今まで何だったんだって感じですね。

石塚

やれば出来ることっていっぱいあるじゃないですか。

安田

たとえば?

石塚

電子投票とか。あと、オンラインの教育とか。

安田

確かに。選挙や授業はオンラインで十分かも。

石塚

あれで救われるいじめられっ子とか、内心ホッとしてる子とか、絶対いると思う。

安田

確かに。

石塚

オンラインの方がコンテンツは豊富だし。なんだったら試験の点数も伸びるんじゃないですか。

安田

もはや学校に行く必要がないと。

石塚

そのとおり。

安田

コロナが終わっても生徒が戻ってこない可能性もありますね。

石塚

戻ってくるのは学校が好きな子供や一定規律が必要な子供だけでいいと思う。

安田

なるほど。会社の場合はどうですか?

石塚

会社も同じ。会社に来る理由は愛情に飢えるから。経済的安定性というより心の安定性だったり、帰属意識だったり。

安田

確かにそうかもしれませんね。レンタルオフィスって寂しいですもんね。

石塚

「会社を愛してる」「会社が好き」って人は出社し続けると思う。

安田

コロナがフィルターになって「会社好き」と「会社嫌い」、「学校好き」と「学校嫌い」に分かれていくかもしれませんね。

石塚

そう思います。収入が増えるとか、どっちが安定するとかじゃなく、好き・嫌いで分かれるようになる。

安田

損得の時代から好き嫌いの時代に変わると。

石塚

元々そういう流れでしたけど。コロナで一気に加速すると思います。

 

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石塚毅
(いしづか たけし)
1970年生まれ、新潟県出身。前職のリクルート時代は2008年度の年間MVP受賞をはじめ表彰多数。キャリア21年。
のべ6,000社2万件以上の求人担当実績を持つ求人のプロフェッショナル。

安田佳生
(やすだ よしお)
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

 

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