第25回 新しい連立政権の可能性

この対談について

国を動かす役人、官僚とは実際のところどんな人たちなのか。どんな仕事をし、どんなやりがいを、どんな辛さを感じるのか。そして、そんな特別な立場を捨て連続起業家となった理由とは?実は長年の安田佳生ファンだったという酒井秀夫さんの頭の中を探ります。

第25回 新しい連立政権の可能性

安田
酒井さんが「官僚時代に会った中では国民民主党の玉木さんが一番優秀だ」と仰っていたのを聞いてから、見る目が変わったというか、すごく気になりだして。一体どういうところがそんなにすごいのか、あらためて聞いてみたいんですけど。

酒井
一番優秀というか、「私が人生で敵わない人ベスト3」に入る人ですね。頭が良くて、 行動力があって、人を惹きつける力があって。で、顔もいいっていう(笑)。
安田
なるほど。まあ顔は賛否両論あるかもしれませんけど(笑)。玉木さんとは外務省時代に一緒だったんですよね。

酒井
ええ。彼は私より2歳上なんですけど、私が外務省に出向していたとき、ちょうど同じように出向で来ていたんです。私はシリアを担当していて、彼はヨルダンを担当していました。
安田
お二人とも中東の国を担当されていたんですね。

酒井
そうですね。とはいえ担当と言っても、外交のことも中東のことも何も知らない、アラビア語も話せない状態で行くわけですよ。だから最初は「こいつに一体何ができるんだ?」という目で見られるんですね。
安田

ああ、なるほど。実際、全く専門知識や経験のない状態ですものね。


酒井
そうなんです。でも彼は、同じ外務省の人はもちろん、日本に来ているヨルダン大使ともどんどんいい関係を作っていくんです。知識量も年齢もあまり変わらないのにどうしてこんなに人を惹きつけるんだろう、と。それで当時からずっと、「敵わないなぁ」と思っているんです。
安田

なるほど。そういうタイプの人は、政治家にも向いている気がしますね。


酒井
確かに。当時はそんな風には思わなかったですけど、言われてみれば政治家タイプですね。
安田
実際に話した印象はどうなんですか? 酒井さん自身も惹きつけられるものがあったんですか。

酒井
彼はすごく共感力が高くて、かつそれを自分のことのように発信するのが得意なんです。なので外務省時代も、「ヨルダン大好き!」というようなことを、本当に真顔で言うわけです。この間までヨルダンのことなんて何一つ知らなかったくせに(笑)。
安田
へぇ(笑)。それはどこに行っても愛されるでしょうね。

酒井
そうなんです。ちなみにヨルダンは王様の国なので、国家間で王族同士の交流があるんですね。つまり日本の天皇陛下とご一緒されることもある。でも彼は、そういうすごい方々の間にも臆することなく入っていけちゃうんです。いわゆる「コミュ力おばけ」ですよね(笑)。
安田
なるほど(笑)。頭もいい上に、コミュニケーション力も高く、そしてきっと愛国心もあるんでしょうね。でも先ほどの話だと、将来政治家になるとは思っていなかったと。

酒井
全く思ってなかったですね。そういう素振りも見せなかったですし。
安田
へぇ。ということは、何か転向するきっかけがあったんですかね。

酒井
当時の事情を私は全然知らないんですが、「選挙に出馬すると決めた瞬間、即、財務省の人事宛に辞表を書いて、そのまま選挙区の香川に行った」という話を聞いたことがあります。
安田

すごい決断力と行動力ですね。


酒井
ええ、まさに。それだけ優秀な人がそれまでのキャリアを捨てて、香川県の畑の真ん中でずっと政策を訴え続けるっていうのはなかなかの信念だなと思うんですよね。
安田
ちなみにその出馬の際、もし自民党から声がかかっていたらどうだったんですかね。自民党から立候補していたんでしょうか。

酒井
そうしたと思いますよ。ただ、その頃ってちょうど政権交代の雰囲気、というか新党ブームがあって、新しいことをやるぞっていう風潮だったんですよね。そういう意味では古い体質の自民党より、民主党から出たがる人が多い時期ではありました。
安田
なるほど。最近は連立政権を組む、というような話も出ていますけど、酒井さんから見て驚きはないですか?

酒井
はい。私はぜひ連立政権に入ってほしいなと思ってます。語学力もあって国際舞台の中でも堂々と話ができるので。「自公国」の連立になったら総理の可能性も……とか言われてますけど、実際あり得ると思います。
安田

ふーむ、なるほど。でも連合は連立政権に反対していますよね。玉木さんは共感力も高いということでしたけど、反対する声にまで共感してしまうと、軸がブレてしまう気もしますけど。


酒井

まぁそうですけど、玉木さんの場合はどちらかというと「きちんと話せばわかってくれる」と思っている気がしますね。

安田

ああ、なるほど。連立することで彼らにどんなメリットがあるのか、ちゃんと提示して理解を得ようとすると。


酒井

そうですね。ちなみに、連合が反対する理由は本当はないんですよ。

安田
……と言いますと?

酒井
だって、労働者のためになることを自民党がやってくれるなら、連合はそれでいいじゃないですか。安倍政権時代も岸田政権時代も「労働者の賃金を上げろ」と自民党はずっと叫んでいるわけで、それは彼らの主張と同じわけですから。
安田

ああ、確かにそうですよね。自民党って「お金持ちの味方」と言われている割には、実際は「お金持ちから高い税金を取ってお金がない人にばらまく」ということをし続けているわけですもんね(笑)。


酒井
そうそう(笑)。実は完全な労働党だと思うんです。だから労働者のためになる政策をやってくれるんだったら、自民党と組んでいてもいいわけで。
安田
じゃあ最後に、酒井さんから見て連立の可能性が何%ぐらいあるかバシッと聞かせてください。
酒井

笑。15%ぐらいですかね。

安田
ああ、でもそれくらいなんですね。
酒井

とはいえ、次の選挙でもし自公が過半数を割ることがあれば、100%自公国連立になるとは思います。要は、状況次第で確率はガラッと変わると。

安田
確かに。逆に言えば、自公が過半数を割らない限り、組む必要性がないってことですよね。
酒井

ないですね。そして今は、その確率が少し減ったかなと。とはいえ、自公の東京選挙区での揉めごとが飛び火するようなことがあれば、仮に自公で過半数は超えていても、抑えの意味で自公国になる可能性はありますね。

安田
なるほど。公明党と組むより国民民主党と組んだ方が気楽にやれそうですしね。ただ彼らは選挙にそんなに強くないのかなとも思うんですけど。
酒井

そうですね。まぁ、そういう意味では何が起こってもおかしくない状況です。自民党が分裂して維新が合流するようなシナリオもありますし。半年後や1年後に連立の可能性を聞かれたら、50%くらいになっているかもしれません。


対談している二人

酒井 秀夫(さかい ひでお)
元官僚/連続起業家

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経済産業省→ベイン→ITコンサル会社→独立。現在、 株式会社エイチエスパートナーズライズエイト株式会社株式会社FANDEAL(ファンディアル)など複数の会社の代表をしています。地域、ベンチャー、産官学連携、新事業創出等いろいろと楽しそうな話を見つけて絡んでおります。現在の関心はWEB3の概念を使って、地域課題、社会課題解決に取り組むこと。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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