国を動かす役人、官僚とは実際のところどんな人たちなのか。どんな仕事をし、どんなやりがいを、どんな辛さを感じるのか。そして、そんな特別な立場を捨て連続起業家となった理由とは?実は長年の安田佳生ファンだったという酒井秀夫さんの頭の中を探ります。
第34回 3万本の橋が崩壊する日

そうなんです。いざお金が必要になっても、後の祭りです。
そうなんです。もちろん、修繕計画に従って毎年修繕の予算はありますが、単年度ベースですから、今後修繕件数が増えたとしても、その時に十分な予算がとれるかどうか……

なるほど、それはいいですね。というか、普通はそうやってあらかじめ算段をつけてから作る気がしますけど。修繕予算が出ない橋や道は「傷んできても放置する前提」で作ったんですか? という話になってしまう。

もうそういうことを言ってられない状況なんです。もしその不便を解消したいなら、今までの二倍三倍の住民税を払ってね、という話になってしまう。それに、修繕が必要な橋や道路は無数にあるわけで、住民がいくら税金を払っても追いつかなくなるでしょうね。

近い将来、そうなってくるでしょうね。修繕費だけではなく、さまざまなインフラ、公的サービスをまかなうために住民税を10倍にします!と地方自治体が言えるとは思えませんし、そもそも住民側も納得しないでしょう。

もちろん望んだわけではないけれど、仕方がなかったという感じでしょうね。ものすごい田舎に住めなくなるのは仕方ないと思えても、10万人以下の都市がそうなったらみんな驚くでしょうね。北海道の状況を見ていると、その日は近いのかもしれない。

ええ。一方で、「あまり人の住んでいない地方を守るために増税します!」という政策を打ち出しても、誰も納得しないでしょう。国民は国民で、自分の生活に精一杯なんですから……つまり日本はもうそういう状態だということです。
対談している二人
酒井 秀夫(さかい ひでお)
元官僚/連続起業家
経済産業省→ベイン→ITコンサル会社→独立。現在、 株式会社エイチエスパートナーズ、ライズエイト株式会社、株式会社FANDEAL(ファンディアル)など複数の会社の代表をしています。地域、ベンチャー、産官学連携、新事業創出等いろいろと楽しそうな話を見つけて絡んでおります。現在の関心はWEB3の概念を使って、地域課題、社会課題解決に取り組むこと。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。