小さなブルーオーシャンに出会う旅 第45回「大人向けの特化した音楽教室を手掛けるベンチャー企業」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

第45回「大人向けの特化した音楽教室を手掛けるベンチャー企業」


「大人向けの特化した音楽教室を手掛けるベンチャー企業」

新型コロナウイルス拡大による自粛要請で、
テレワークや巣ごもりが余儀なくされています。

そんな中、再び楽器を手に取る人たちが
増えているといいます。
アメリカの老舗ギターメーカー
「フェンダー」社によると、
同社でギターレッスンを受けられる
オンライン講座の利用者は、
15万人から93万人に急増したといいます。

Vlad VasnetsovによるPixabayからの画像より

日本でも楽器の総合メーカーのヤマハは、
ステイホームで電子楽器の需要は堅調。
と、楽器需要が旺盛であることを示しました。

こうした中で、いま注目を集めている
ベンチャー企業があります。

それは東大出身の宍戸氏(26歳)が、
大学卒業後、すぐに設立した「株式会社フォニム」
です。

フォニムはオンラインレッスンサービスを提供する
いわゆる「オンライン版音楽教室」。
ピアノやサックス、ヴァイオリン、クラシックギターなどを、
配信される講師による解説動画を、教材を参照しながら受講。
ホームワークに取り組んで、自らの演奏を録音して
アップロード。達成できたら次のレッスンへ進みます。

小さなブルーオーシャンを生み出しているものは何なのか?

最大の特徴は、豪華な講師陣。
海外経験が豊富な若手ミュージシャンや
注目を集めているミュージシャンが
講師をしているといいます。
音楽教室というと、対面でレッスンが主流です。
ところが、このオンラインレッスンは、
事前に収録したものだといいます。
つまり、講師の時間を拘束するのは、収録の時間のみ。
また、受講生も好きな時間に
レッスンを受けることができます。

当然、オンラインなので、リアルな「教室」も
ありませんので、コストは最小限。

次に、大人向けに特化しているということ。
一流の講師陣から弾きたい曲を教わることができ、
はやりの曲や現代曲をレッスンの教材にしているので、
プロの音楽家になりたい、というよりは自分の趣味として
音楽、楽器を楽しみたいという層に受けているのでしょう。

また、オンタイムでのレッスンではないからこそ、
教材にこだわっているとのこと。
収録された動画によってレッスンをして、
上達しなければ、顧客はすぐに離れていくでしょう。
どんな状況下でも上達できる仕組みを作っているということです。

こうしてみると、
業界的にフォローの風が
吹いているようにも見えますが、
さまざまな仕組みや工夫によって、
ビジネスを展開されています。
また、アイデアをきちんと
実行しているからこそ、
上昇気流に乗れているのだと思います。

ちなみに楽器メーカーと提携し、
電子楽器の貸し出しもしているようなので、
これを機会に楽器を始めてみるのはいかがでしょうか?
私も、フォニムさんを知って、
ギターを学ぶか、サックスを学ぶか、
悩んでいるところです(笑)

 

株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。
中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

 

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