第105回「リユースで循環型経済を生み出す小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

「リユースで循環型経済を生み出す小さなブルーオーシャン


「産業廃棄物?いえいえ立派な材料です。」

お酒好きな皆さま、こんにちは。
今日は、お酒にまつわる
小さなブルーオーシャンです。

日本酒。
どのように造るか、ご存知ですか?
簡単に言えば、
水に米と酵母を入れ、
アルコール発酵させれば、
日本酒の完成です。
(もっと複雑な工程はあります)

この日本酒を造る(絞る)際に
できる物が「酒粕」です。
実はこの酒粕。
産業廃棄物だということを
ご存知でしたか?

日本酒を造る中、
約3分の1が酒粕となります。
年間約4万トンだそうです。
奈良漬けや粕汁といった
需要もあるにはあるのですが、
そのほとんどが、
産業廃棄物として
捨てられてしまうのです。

この捨てられていく酒粕に
目をつけた会社があります。

エシカル・スピリッツ株式会社

東京蔵前に
世界初の再生型の蒸留所
「東京リバーサイド蒸溜所」
を設立し、
大量廃棄されている酒粕を
ジンのベーススピリッツとして
100%使用することを考えたのです。

Lawrence HurによるPixabayからの画像

同社のジンは徹底的に
香りにこだわったらしく
まさに「飲む香水」だそうです。

2020年2月にジン市場にデビュー以降、
伊勢丹新宿本店で部門別売上一位を達成したり、
東京を代表する名店レフェルヴェソンスで採用されたり
しているらしいです。

この世界初となる再生型蒸留所では
今後、多くの日本酒製造蔵や
ビール製造蔵とともに、
さまざまな未活用原料を用いて、
蒸留酒を生産していく予定だそうです。

今後が楽しみな
小さなブルーオーシャンでした。

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エシカル・スピリッツ株式会社
本社所在地:東京都台東区蔵前3-9-3 臼井ビル4F
URL:https://ethicalspirits.jp/
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佐藤 洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

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