第158回 お金に固執しているのは誰?

この記事について 税金や、助成金、労働法など。法律や規制は、いつの間にか変わっていきます。でもそれは社会的要請などではないのです。そこには明確な意図があります。誰が、どのような意図を持って、ルールを書き換えようとしているのか。意図を読み解けば、未来が見えてきます。

第158回「お金に固執しているのは誰?」


安田

前澤さんが、ついに宇宙に行ってしまいました。

久野

すごいですね。

安田

最終的には月まで行くと言ってます。すごいですよね。お抱えのカメラマンも連れていって、それだけで50億かかるそうで。2人合わせて100億円。

久野

カメラマンになりたかったな(笑)

安田

批判する人もいまして。テレビで「金持ちの道楽だ」って批判する有名人も多くて。

久野

個人的にはめちゃくちゃ羨ましいです。宇宙行ってみたいなって思いました。

安田

打ち上げ失敗したら死ぬかもしれないですよ。せっかく何千億も稼いだのに。トレーニングも大変だったみたいです。

久野

いやあ。ただただ羨ましいです。

安田

なぜこんなに批判されるんでしょうね。

久野

日本人ってお金持ちに厳しいんですよ。

安田

そこですか。

久野

努力してる人を素直に賞賛できない。

安田

「お金持ってます」って言ったら駄目な文化ですからね。

久野

運で稼いだわけじゃないですからね、前澤さんの場合。

安田

ですよね。何ひとつ批判される要素がない気がします。なぜわざわざテレビで批判するのか。

久野

昔サッチャーさんが言ってたじゃないですか。「金持ちを貧乏にしても、貧乏人が金持ちになることはない」って。

安田

さすがサッチャーさん。

久野

お金持ちに文句を言ってると、自分たちが幸せになるような気がするだけ。意味がない。

安田

結局そうやって足の引っ張り合いして、どんどんものを安くさせて、今の日本になってるわけじゃないですか。

久野

本当そうですよ。

安田

あれが日本人じゃなく海外のお金持ちだったら、みんな大絶賛しそう。

久野

日本人も行けて良かったぐらい思わないといけないです。

安田

そうですよね。

久野

中国人はきっとみんな怒ってますよ。

安田

怒ってますか。

久野

絶対怒ってます。めっちゃ憎らしいと思ったはず。

安田

あれが中国人だったら大絶賛?

久野

はい。そういうところはすごく素直です。

安田

アメリカもそうですよね。成功者を素直に褒め称えて。

久野

そうなんです。

安田

批判する人はやっぱりひがみとか妬みとか。つまり国民性ですか。

久野

そうですね。だって10万円の給付とかも謎じゃないですか。

安田

謎ですよね。合算じゃなくいちばん稼いでる人の年収で決めるとか。

久野

そもそも年収高い人がなぜもらえないのか。たくさん税金を払ってるのに。やっぱり日本ってお金持ちにキツくしてることが受けるんですよ。

安田

クーポンも問題になりましたよね。クーポンをつくって配る方が金かかるっていう。

久野

一部のお金持ちを除外する作業の方がよっぽどお金がかかる。

安田

そこまでしてでも金持ちには配らない。金持ちに対して厳しくすれば国民受けがいいってことですか。

久野

そうなんです。所得税の累進とかも同じで。

安田

だけど余計なコストをかけることで、国は余計貧乏になるじゃないですか。

久野

ヒエラルキーや格差があるってことに対して、国は課題を感じてて。それを上から下に移行したり「上の人が自由にならないようにやってます」みたいな。

安田

それを国民が望んでると。

久野

だってそういう政策ばっかりじゃないですか。子ども手当も止まりますからね。

安田

稼いだ人ほど待遇が悪くなるっていう(笑)

久野

ホントそうです。稼いでる人ってめちゃくちゃ働いてますからね。

安田

働いて、自分の努力で能力アップして、そして稼いだ人が不遇な思いをしなくちゃいけない。

久野

自分で稼いだお金で宇宙に行くって、すごくいいことだと思うんですけど。

安田

すでに何千人分の税金も納めてるわけで。

久野

そういう人が称賛される国になった方がいいです。

安田

徳光さんが「これだけ金があるってことは、それだけがめつく稼いでたんだ」みたいな言い方をしてました。

久野

悪いことして100億は稼げないですよ。何かしら社会を良くしてないと。ZOZOなんてすごく画期的じゃないですか。

安田

でもこの数十年で格差が広がったことは事実です。お金持ちはさらにお金持ちになり、貧乏人はさらに貧乏人になった。

久野

アメリカは日本以上に格差社会ですけど、その分どんどんGDPが伸びてます。結果的に仕事も増え、最低賃金もどんどん上がってるわけじゃないですか。

安田

二極化が悪いわけじゃないと。上がさらに稼いでくれると、下も伸びていく。

久野

そうですよ。国としての器が広がっていかない限りチャンスはないです。もっと高い視点で考えなきゃいけない。

安田

久野さんが総理大臣だったら、どういう政策を打ち出すんですか。

久野

投資先をはっきりさせますね。老人から先端技術とか、教育とかに。宇宙とかも。

安田

ITとか。

久野

ITは遅いかもしれないですけどAIとか。今の教育だと働かない国民性になってしまうので。大学行っても遊んでるだけじゃないですか。

安田

あとは居酒屋でアルバイトとか。

久野

アメリカや中国では職場に出たらいきなりプロとしてやっていく。グローバルではそれが当たり前のスタイルです。

安田

教育が変れば国民性も変わるんですか。

久野

50年ぐらいかかるでしょうけど。だけど鎖国しない限りは変えていくしかない。

安田

もしかしたら日本人の方がお金に固執してるのかもしれませんね。たかだ金だって思えない。変にありがたがったりして。

久野

投資発想も変えていかなきゃいけないです。目の前のことにとらわれ過ぎてチャレンジしない。

安田

クーポンに固執するのも変ですよね。いちばん使い勝手のいいクーポンが現金なのに。お金を特別視しすぎなんでしょうか。

久野

現金だと貯金に回るから嫌だっていうんですけど。使わない人はどの道クーポン分の貯金をするだけなので。一緒ですよ。

安田

クーポン使って、浮いた分の現金を貯金するに決まってますよね。

久野

発想が陳腐過ぎてびっくりします。

安田

前澤さんが叩かれるのも根本は一緒なのかもしれません。お金に対する感覚のズレというか。

久野

そうですね。お金から目を背けているように見えて、いちばんお金に固執してる気がします。

安田

なんか嫌らしい国民性ですね。

久野

まずはその事実を認めなきゃダメです。

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久野勝也 (くの まさや) 社会保険労務士法人とうかい 代表 人事労務の専門家として、未来の組織を中小企業経営者と一緒に描き成長を支援している。拠点は愛知県名古屋市。 事務所HP https://www.tokai-sr.jp/  

安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

1件のコメントがあります

  1. 個人的なコメントですが、公務員系の人たちが、金持ちや真っ当な成功者を僻んでいる気がします(笑)!

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