第124回「ここでしか食べられない、日本初の“生醤油”という小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

「ここでしか食べられない、日本初の“生醤油”という小さなブルーオーシャン」


「身近だけど知らないことが多い醤油」

私たち日本人にとって
「醤油」はとても馴染み深い
調味料の一つですね。

皆さんは醤油のこと、
どれだけ知っていますか?
例えば、歴史とか、
素材とか、製造工程とか、
日本全国にどのくらい
醤油屋さんがあるのか、とか。

私はほとんど知りませんでした。

埼玉県坂戸市に
「弓削多(ゆげた)醤油株式会社」
という醤油屋さんがあります。
200年以上もの歴史があるそうで、
4代目の弓削多 洋一氏は、
「醤油をより身近に慣れ親しんでもらいたい」
という思いから、醤油について遊んで学べる
「醤遊王国」を設立。

全国でもめずらしい醤油のしぼり体験や
しぼりたての醤油で味わえる施設だそうです。

全国には1500軒もの醤油屋があるそうです。
ただその中で、大豆と小麦で麹を作るところから
やっているのは200軒しかないと言われています。
ほとんどの醤油屋さんは、もろみを絞った後の
“生揚げ”(きあげ)を買ってきて、
熱殺菌とビン詰めをするだけ。

そして醤油は、大手5社で
全体の5割を作っている業界。

醤油屋で国産の丸大豆を
使っているところは少なく、
ほとんどが脱脂加工大豆を
使っているんだとか。


PublicDomainPicturesによるPixabayからの画像

えっ?よく丸大豆醤油と聞きますが、
全然違うんですね。

つまり、原材料として
脱脂加工大豆
外国産丸大豆
国産丸大豆
有機国産丸大豆
があり、本物の醤油って、
私たちの口には入っていない
ってことなんですね。

さて、この醤遊王国では、
醤油をより身近に慣れ親しんでもらうために、
工場見学や醤油のしぼり体験ができるとか。
そして「純生しょうゆ」という、
ここでしか味わえない醤油が存在するのだとか。
熱殺菌、フィルターろ過せずに、
木桶で仕込んだ醤油のもろみをしぼったまま
ビン詰めしているので、酵母菌・乳酸菌・酵素が
生きているとのことで、購入しても
賞味期限は1ヶ月間。
これらを求めに、年間8万人ほどの人が
訪れるんだそうです。

いまは便利な世の中です。
1ヶ月間しか保たない醤油は
普通では受け入れられないかもしれません。
しかし、口にしてみたい、
味わってみたいと思いませんか?
実際、私も調べながら、食べてみたい
手に入れたいという気持ちが湧いています。
これこそが小さなブルーオーシャンなんだと
思います。

──────────────────

醤遊王国
運営会社 弓削多醤油株式会社
所在地 埼玉県坂戸市多和目475番地
URL https://yugeta.com/

──────────────────

 

著者の他の記事を読む

 

佐藤 洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

感想・著者への質問はこちらから