第149回「ベンチャー企業の強みを活かし協業した小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

「ベンチャー企業の強みを活かし協業した小さなブルーオーシャン」


「下請け構造からの脱却。大手企業と横並びで新開発に望む。」

 

都市に知識労働者が集積し、
技術(technology)、
才能、(talent)、
寛容性(tolerance)
の3つのTが備わることで
都市と経済が発展するそうです。

そんな都市を目指そうと
している場所があります。

大阪府大阪市港区。
金属加工をはじめ
多くの製造業が集まるエリア。

1990年代半ばにくらべ、
大企業の下請け仕事が減り、
工場の数は約4割減少した
地域だそうです。

だからこそ同地域で、
下請け構造から
大手企業と
町工場やベンチャー企業、
研究者が横並びで
新製品開発に望む構造へと
転換させようと、
旗振りをしている
企業があります。

成光精密株式会社

Image by AI素材.com

同社の代表である高満洋徳氏は
2018年に「Garage Minato」
を立ち上げ運営責任者になった。

町工場がそれぞれに持つ
技術やノウハウ。
それにクリエイターが持つ
アイデアや先端技術を
集結させることで
イノベーションを加速させ、
ものづくりで社会に貢献する。
これが、Garage Minatoの
ポリシー。

現在、Garage Minatoに
関わる町工場は75社以上。
すでに
打撃練習用のバッティングティー
というスポーツ機器の「SAKUGOE」
は、販売までたどり着いたプロジェクト。
約3500台を販売、毎月200台ずつ
売れ続けているといいます。

第2弾として
オリックスの山本由伸選手
と一緒に開発した「FLECHA」。
肘や肩などに負担の少ない
正しい投げ方を習得できる製品で、
すでに1850台を販売。

ほかにも
「コオロギ自動養殖システム」や
「産業用水中ドローン」などの
実装につなげたプロジェクトも
あるといいます。

中小企業やベンチャー企業、
あるいは個人には、
素晴らしいアイデアが
埋まっている可能性が高いです。
しかし、それを形にして、
商品化し、販売するまでの
工程に障害となっている
ケースが多いと感じます。

多くの中小企業、ベンチャー企業、
個人などのスモールビジネス同士が
協業すれば、大企業と同等、
もしくはそれ以上の商品や
サービスを生み出すことができるかも
しれません。

それは、やがて地域の活性にも
活かされていくのではないでしょうか。

今後のビジネスのあり方を
示唆する小さなブルーオーシャンでした。

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成光精密株式会社
大阪府大阪市港区
http://www.seikouseimitsu.com/
https://www.garage-minato.jp/
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佐藤 洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

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