第153回「若い人材が応募してくる介護施設?!この介護施設で一体何が…という小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

「若い人材が応募してくる介護施設?!この介護施設で一体何が…という小さなブルーオーシャン」


「『視覚障がい者支援』に特化し、福祉の世界では異質な存在」

 

福祉障害者向け施設。
大抵、施設内で働く
ヘルパーは
どの施設でも、
ご高齢の方が多い。

残念ながら
現状で、若い人が入りたい
環境ではないからでしょう。

介護職は3K、
つまり「きつい」「汚い」「危険」。
最近では、「給料が安い」という
Kが加わり、新4K
と言われているとか…。

確かに若い人材が入りたい、
と思うような業界では
ないのかもしれません。

しかし、
ヘルパーの平均年齢が
30代後半と若い人材が
多く活躍している会社があります。

株式会社ライトヴィジョン

大阪府堺市にある会社で、
同じ福祉障害者向け施設であっても、
「視覚障害者支援」に
特化していると言います。

これは福祉の世界では
異質な存在だそうで…

と言うのも、障害福祉の世界は
細分化されておらず、
身体障害から知的障害など
種類や程度、年齢までさまざま。

しかし、多くの施設では
すべての障害者を
受け入れています。

同社の代表である、
丸谷博章氏は、
配慮すべき点や
求められる支援も
違う人たちに向き合い、
行き届いたサービスを
するには無理がある
と考え、
「視覚障害者支援」専門の
施設にしたと言います。

業務は同行援護。

同行援護とは
視覚に障害がある方の
外出支援で、
必要に応じ
代読・代筆なども
行ないます。

また視覚障害者が
おもな仕事としている
鍼灸業の勉強会などの
同行にも対応しているそうです。

同社では、
「視覚障害者に携わるのであれば、
生まれてから死ぬまで関わろう」
という考えで、
視覚障害者の就労を増やし、
グループホームや
最終的には視覚障害者用の
老人ホームの運営を
視野に入れているとか。

同時に、カウンセリングつきの
オーダーメイド薬膳を配合した
食品のネット販売を構想。

カウンセリングであれば
視覚障害者にもできる仕事のため、
雇用につながります。
また、若い視覚障害者が
活躍できる
美容目的の鍼灸サロンも
構想中だとか…。

こうして、
多角経営で収益化できれば、
視覚障害者の雇用を増やしつつ、
従業員の待遇も
よりよくできるでしょう。

多くの企業では、
事業を拡げて多角化して
いきます。
しかし、一つのことに絞り、
専門に特化すること、
専門性を突き詰め、
深めていくという
やり方もまた多角化。

そして一番は、
専門性を高めていくことで、
その仕事に就きたいという
若者が現れてくることです。
たくさんあると大変そうですが、
一つに絞れば、なんとかできそう、
と思うじゃありませんか。

そんな小さなブルー・オーシャンでした。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
株式会社ライトヴィジョン
大阪府堺市
URL https://www.lightvision-roco.co.jp/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

著者の他の記事を読む

 

佐藤 洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

感想・著者への質問はこちらから