第190回「逆張りをすることで生き残る小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

「逆張りをすることで生き残る小さなブルーオーシャン」


2023年12月11日−
すごいニュースが飛び込んできました。
日本時間で12月10日に、ロサンゼルス・エンゼルスからFAの大谷翔平選手がロサンゼルス・ドジャースと10年で契約をした、というニュースです。その契約金がなんと総額7億ドル、日本円にして約1015億円。

野球を知らない方々でも大谷翔平選手の名前は聞いたことがあるでしょうし、この契約におけるニュースは見られたのではないでしょうか。投手と野手の二刀流やベーブ・ルース以来の投手で二桁勝利、野手で二桁本塁打、本塁打王など、数々のタイトルもさることながら、グラウンド内外での人格の良さなども相まって日本でもアメリカでも大人気の選手ですよね。

と、大谷選手の話はここまでして、今回は、全く別の選手のお話しをしたいと思います。

球速150キロ全盛の時代のプロ野球界。そこであえて…

私は幼少期より野球をしてきた経験から、いまの趣味が草野球(最近はチームに所属していないので、たまに助っ人程度ですが…)と野球観戦。特に東京ヤクルトスワローズは、40年近くのファンで、毎年、本拠地である神宮球場には最低でも月二回ほど観戦に行きます。

その東京ヤクルトスワローズに石川雅規という投手がいます。来年2024年1月22日に44歳を迎えるベテラン左腕です。大学を卒業してプロ入りし22年目。プロ野球12球団でも最年長選手です。現在まで185勝を挙げており、あと15勝で通算200勝という偉業を目の前に控えた投手でもあります。

この石川投手の何が小さなブルーオーシャンなのかというと、石川投手の球速(投げるボールのスピード)です。最近は食べ物の欧米化だけなく、科学的な練習方法が取り入れられたり、You Tubeなどによる元プロ野球選手の詳細な解説などから技術もかなり向上していったりしています。

そのためこの球速がどんどん上がっていきました。現在の平均球速は150キロ。ちょっと前は150キロを投げる投手が出ると球場が沸いたものですが、いまは普通。160キロが出ると球場が沸く時代です。そのうち170キロとか投げる投手も出てくるんでしょうか…。

そんな速い球全盛の中で、石川投手の球速は平均130キロ台。今季最速でも137キロ。石川投手の最大の武器は制球力と多彩な変化球で、打者を翻弄していくのですが、本人曰く「速い球全盛なのであれば、真逆を行ってやろうと。もっともっと遅い球を投げたろうと思っています。」

野球のトップレベルの技術力の半端ない選手たちがひしめくプロ野球という世界で、遅い球を投げるというのはとても勇気がいります。簡単に打たれてしまうんじゃないかとも思います。しかし、石川投手は、速い球というレッドオーシャンの中で、あえて遅い球というブルーオーシャンを選んで活躍できているんだと思います。

仕事でも、人と違うこと、真逆のことをやるのは怖く、勇気がいることです。しかし、だからこそ、小さなブルーオーシャンになっていくんだと思います。

ちなみにこの石川投手。プロ野球選手の平均身長は180.8cm。その中で169cmと小柄。小さな大投手と呼ばれ、その投球術は多くの若い投手の見本になっているそうです。

 

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佐藤 洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

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