第33回 できるフリーランスの共通点

この対談について

住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。

第33回 できるフリーランスの共通点

安田
渡邉さんは「その道のプロ」というプロ人材を紹介する事業もされてますし、たくさんフリーランスの方を見てきたと思うんです。そんな渡邉さんから見て「この人はできるな」と感じるのはどういう人ですか?

渡邉
毎日のようにプロ人材と面談していますが、僕が意識しているのは「クライアントからのオーダーに応えすぎていないか」という点ですね。もちろんオーダーは理解している必要がありますが、その先にある「目的地」から逆算し、さらにプラスαの提案ができるかどうかが重要で。
安田
ああ、なるほど。確かに「仕事ができる人」ってそうですよね。世の中的にも「言われた通りにやるだけの人はダメ」と言われて久しいですから。

渡邉

ええ。とはいえ「言われた通りにやらないのがいい」というわけではなくて。ちゃんと目的と手段を理解し、その上で稼働できる人が「できる人」なんじゃないでしょうか。

安田
つまりクライアントの「目的」まで深く入り込んで「だからこういう手段の方がいい」と提案してくれたりする人ですね。

渡邉
仰るとおりです。あとは「自分の言ったことにコミットできるか」「レスポンスがしっかりしているか」などの基本的な部分も当然重要です。
安田
それは私も同感です。約束した納期や成果を守るって、当たり前のことですけど一番大事な部分ですよね。それがキチンとできる人って、「受けるべき仕事」と「受けられない仕事」の線引きも明確にできている気がします。

渡邉
確かにそうですね。そういう人は、報酬や条件がいいからと言って簡単には飛びつかない。自分の手に負えないと思えば断りますし、場合によっては「もっといい人がいる」と別の人を紹介してくれたりもする。
安田
安請け合いしない、というのは確かに「できるフリーランス」の指標かもしれませんね。

渡邉
ええ。自分が相手の役に立てて、かつ喜んでもらえることしかやらないんですよ。逆に言えば、自分がどこで役に立てるかがわかっている。
安田
自分の力量がわかっているからこそ、納期も余裕をもって設定できるわけですね。

渡邉

そういうことです。納期に遅れる人って、そこが見えていないんでしょうね。自分の力量を知らないし、やるべきことも実はよくわかっていない。

安田
よくわかっていないのに仕事を受けたら駄目ですよね(笑)。でも意外とそういうケースがある気がします。「できます!」「やります!」って言いたくなる気持ちもわからなくはないですけど。
渡邉

まぁ、それでも「とにかく納期が大事なんだ」ということをわかってくれていればいいんですけど。中には約束の期日を過ぎても連絡ゼロ、なんて方もいますから。

安田
うーん、それは困りますね。フリーランスで仕事が継続しない理由っていろいろあると思うんです。相性が合わないとか金額が折り合わないとか。でも一番は納期じゃないかと。連絡もなしに納期が遅れるなんて一発アウトですよね。

渡邉
そうですね。すでに進行中のプロジェクトは仕方がないので間に入ってなんとか稼働させるとしても、新しい仕事は振れませんね。
安田

その調整の手間というか、コストは相当ですもんね。ちなみにどうやって納期を調整するんですか?


渡邉
1回でも納期に遅れるようなことがあれば、次からは前もって余裕を持った納期を設定したり、何度もリマインドしたり。そういう地味なことで対応するしかないですよね。
安田

間に入るのも大変ですね。納期ももちろんですけど、クオリティの問題もあるじゃないですか。「最終チェックをやっていないんじゃないか」という状態で納品されることもあるし。発注側からすると、「そういう人を事前に見分けられないものかな」といつも思うんですが。


渡邉
うーん。例えば面談に遅れてくるとか、時間にルーズな部分は判断材料になると思いますね。あとはオンラインの面談中に「宅配便が来たのでちょっと待ってもらっていいですか?」と席を外したりするのはちょっと……(笑)。
安田

オンラインあるあるですね(笑)。仕事に対する姿勢がそういうところに出るんですよね。ちなみに個人的には、自己紹介をする時に有名な誰々と仕事をしたとか、こんなすごい作品に関わったとか、自分以外のことばかり話す人は疑うようにしています(笑)。

渡邉
ああ、なるほど。言われてみると、実績を語りたがる人で本当に仕事ができる人って会ったことがないかもしれない(笑)。
安田

一方で話を引き出すのがすごくうまい人もいますよね。聞き上手なだけではなくて、話をちゃんと正しい方向に持っていくという。


渡邉
そういうことが自然体でできる人は間違いなく仕事ができるでしょうね。

 


対談している二人

渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役

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1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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