第108回「手が出しづらいイメージを払拭した小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

「手が出しづらいイメージを払拭した小さなブルーオーシャン」


「碁会所ってどんなイメージですか?」

東京都大田区。

田園調布を筆頭に
高級住宅街があると思いきや、
京浜工業地帯の一角として、
工場群が立ち並ぶ地域がある
地域です。

蒲田という駅と
五反田(五反田は品川区)という駅の
間を走る東急池上線という
ローカル鉄道の真ん中あたりに
「長原」という駅があります。
そこから徒歩1分。
女性やお子さん、外国の方が、
出入りしているカフェがあります。

「えっ、普通じゃん」

と思われるかもしれませんが、
このカフェに訪れる人は、
「囲碁」を目当てに来るのです。

皆さんは、囲碁と聞いて、
どんなイメージをお持ちですか?
私は、囲碁について、
全くわかりません。
ルールもわかりません。
せいぜいできるとしたら、
「五目並べ」くらいでしょうか?

Mario VenzlaffによるPixabayからの画像

子どもの頃、商店街の一角に、
おじさんたちがたくさん集まって、
囲碁をやっていたイメージがあります。
後から、碁会所というのだと知りました。
「わざわざお金を払って、囲碁をやるの?」
と不思議に思った気がします。
よく考えると、雀荘はお金を払って、
麻雀を楽しみますし、
最近では、お金を払ってボードゲームを
楽しむこともあるわけですから、
特に不思議はないのですが…。

しかし、碁会所ってどんどん
なくなっていきました。

実はこのカフェも以前は碁会所。
オーナー野田まゆ氏は、
三代目だそうです。
当然、野田氏も子どもの頃から
囲碁に触れていたようですが、
タバコの煙が漂う、
暗くて狭い部屋でやるイメージ
だったそうです。

三代目として、
碁会所を引き継ぎ、
経営を続けて行くために、
2017年5月に
カフェひだまり
として開店。

  • 誰かを連れてきたくなるような、心地良くあたたかい場所。遊び心のあるお店
  • 初心者の方や級位者の方が気軽に来られるお店
  • 地域に貢献する100年企業

という3つを掲げ、
女性や子供、
学生や日本語が分からない人でも
気軽に入れるお店を目指したそうです。

今では、
古くから通っているお客さんだけでなく、
数多くのお客さんが囲碁の初心者。

東京には、
約60の碁会所があるそうですが、
このカフェひだまりのような
独特なお店はないそうです。

今後は、
囲碁カフェを国内外に作り、
囲碁専用のゲストハウスなどの案も
お持ちらしく、
ちょっと目が離せません。

これから囲碁ブーム、
来るかもしれませんよ。

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カフェと囲碁ひだまり
URL https://cafehidamari.com/
所在地 東京都大田区上池台1-32-7
最寄り駅 東急池上線「長原駅」徒歩1分
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佐藤 洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

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