【高橋健三】第4話「新事業を編み出す4つのステップ」|センパイ先生と対談シリーズ

センパイ先生 経歴

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高橋 健三(たかはし けんぞう)
・1960年 大阪生まれ
・1982年 大学卒業後、大阪市内の印刷会社へ就職
・1985年 船場の広告代理店へ転職
・1991年 友人と共に企画会社キッズ・コーポレーション設立し取締役に就任
NTT、松下電器(現パナソニック)、コカ・コーラなど大手企業を数多く開拓し、取締役就任12年間で売上高10億円を達成
・2003年 スマイルマーケティング設立し代表取締役に就任

新事業を編み出す4つのステップ

安田
安田

事業を生み出すためには4つのステップが必要だと。

高橋
高橋

はい。ファーストステップは「マーケティング健康診断」と言って、私がつくった100項目の事業診断です。

安田
安田

100項目!

高橋
高橋

Product(商品)、Price(価格)、Place(販路)、Promotion(販促)には打ち手がすごく一杯あるので、「会社の現在の4P力を健康診断しましょう」というのがステップ1。

安田
安田

なるほど。ステップ2は?

高橋
高橋

ステップ2は「1に基づいてすぐにできることを見つけましょう」と。その次にステップ3があるんですけど、ステップ3は2階建てになってます。

安田
安田

2階建て?

高橋
高橋

はい。下にあるのがSDGsというサステナビリティの17テーマ。事業にも持続可能という観点が求められる現代社会で、これは無視できない重要テーマなので。

安田
安田

SDGsが1階部分に相当する。

高橋
高橋

はい。2階は“will”つまり「自分がやりたいこと」ですね。

安田
安田

なぜここだけ2階建てなんですか?

高橋
高橋

SDGsはマストというか「やらねばならないこと」で、それを無視してビジネスができる時代ではないから。でもマストだけだと義務的で楽しくないじゃないですか。

安田
安田

そうですね。義務だと楽しくなさそう。

高橋
高橋

なので2階には“will”を持ってきて、縄文的な発想と直感をベースに「そもそもやりたいことは何だったの?」を考える。

安田
安田

「やらねばならないこと」の上に「やりたいこと」が乗ってると。

高橋
高橋

その対比ですね。

安田
安田

なるほど。真善美にも、ちょっと繋がるところがありますね。

高橋
高橋

はい。SDGsは現代の「善」であり、自分がやりたいことは「真」だとも言えますよね。そして最後のステップが新商品、新サービス、新事業を生み出すフェーズです。

安田
安田

マーケティング健康診断→できることを探す→SDGsとwillの対比→商品や事業の開発、という4ステップ。

高橋
高橋

そうです。4ステップでステップ3だけ2階建て。

安田
安田

たとえば、いま会社員をやっていて。会社に頼らず稼いでみたいけど、「どんな商品を売っていいかわからない」という人がいるとしますよね。

高橋
高橋

はい。

安田
安田

その場合はどのような健康診断をすればいいんですか。

高橋
高橋

「いま勤めている会社の事業」についてチェックするのがいいと思います。

安田
安田

それは会社の事業をベースとして、個人で稼ぐ場合ですよね?

高橋
高橋

そうです。多くの方はそこがベースになるので。もし「今までの仕事はもうやらない」ということなら1と2は必要ないです。

安田
安田

全く違うことをやる場合は3からスタートしてもいいと。

高橋
高橋

とは言え、社会人経験のある人は「既存事業の棚卸し」「既存事業の強化」という視点を持ったほうがいいと思います。

安田
安田

たとえば「コピーライターをやってるけど食えない」「社労士をやってるけど顧問先が増えない」みたいな人は?

高橋
高橋

そういう人はまず健康診断ですね。今の仕事はその人の強みでもあるはずなので。いきなり強みを捨てる必要はない。まず1回診断してみましょうと。

安田
安田

せっかく資格を持っていたり、ライティングスキルを持っているのに、「いきなり明日からラーメン屋をやる必要はない」ということですね。

高橋
高橋

そういうことです。いまやっていることの強みをできるだけ活かしましょうと。

安田
安田

本当にゼロベースに近いところからやる人は、ステップ3から始めればいい。

高橋
高橋

そうですね。そういう場合は “will”だけでいくと危ないから、社会的なニーズでもあるSDGsを理解したうえで考えましょうと。

安田
安田

すでに何か事業をやっている人のほうが、この4ステップは相性がいいんですか。

高橋
高橋

そう思います。どうしてもマーケティングの4Pがベースになるので。

安田
安田

 順番としてはSDGsを学んだ後にwillをやったほうがいいんですか?まずやりたいことを考えるより。

高橋
高橋

これは僕も悩むところで。やりたいことを先にバーッと出してからSDGsチェックをする方がいい場合もある。順番というよりは両方の対比ですね。

安田
安田

SDGsって日本人は得意だと思うんですよ。「やらなくちゃいけないこと」というのが。“will”みたいなのが現代人にはいちばん難しい。「特にやりたいことがない」とか。

高橋
高橋

そうですよね。

安田
安田

「書くのが苦にならないのでライターやってます」とか「資格を取ったので社労士になりました」みたいな人が多くて。 “will”を見つけるきっかけみたいなのってありますか。

高橋
高橋

僕はずっと「毎日、1ビジネスを妄想する」というのを続けてまして。1年続けると365個できるわけです。

安田
安田

356個!えーっ、例えばどんなビジネスですか。

高橋
高橋

めちゃくちゃ妄想的なんですけど。最近考えたのは「ウォーキングアフィリエイター」というビジネスで。

安田
安田

ウォーキングアフィリエイター?

高橋
高橋

誰かが街でかっこいいコートを着てたり、かっこいいスーツケースを持っていたりすると、そこに目がいくじゃないですか。

安田
安田

見ちゃいますよね。

高橋
高橋

そこにQRコードを付けておいて、ピッっと広告に飛ばして、それで購入する。そうすると、その人と運営会社に1%ずつお金が落ちるという仕組み。

安田
安田

オンラインのアフィリエイトじゃなく、リアルのアフィリエイトですね(笑)

高橋
高橋

そうです。だからウォーキングアフィリエイター。

安田
安田

おもしろいです(笑)

高橋
高橋

このサービスの価値は何かというと、やらせではなく本当にその人がリアルで使っているということ。

安田
安田

その代わり、シャツとかカバンにQRコードを付けておかないといけない(笑)

高橋
高橋

そうです(笑)

安田
安田

他にはどんなアイデアがあるんですか?

高橋
高橋

「人気観光地B面ガイドツアー」とか。観光案内って、すごくいいところばっかりですよね。「光」を「観」に行くと書いて観光なので。

安田
安田

確かにそうですね。

高橋
高橋

B面ツアーは「光」ではなく「陰」をベースにした観光の裏側です。「あそこの公民館の利権は町長が持っていて、賄賂をもらってつかまったんだ」「へぇ~」みたいな。

安田
安田

それはすごい(笑)

高橋
高橋

地元の人だけが知ってる“B面”を案内するツアーです。

安田
安田

意外と人気が出るかもしれませんね。

高橋
高橋

旗とか持っていけないので、貸し切りのマイクロバスでコソッと行く(笑)

安田
安田

そういう妄想を続けていけば、だんだんやりたいことに近づいていく。

高橋
高橋

そうなんです。

安田
安田

それでもアイデアが出ない場合はどうしたらいいんでしょう。

高橋
高橋

そういう場合は私のアイデア帳を見ていただいて、「ああ、これは自分もできそう」「やってみたい」と思うものを選んでもらいます。

安田
安田

高橋さんのアイデアをあげちゃうわけですね。

高橋
高橋

はい。ゼロイチが苦手な人は多いので。けどちょっとしたネタがあると、そこからすごいビジネスが生まれたりもするんですよ。

安田
安田

おお!それだったら出来そうですね。ゼロイチが苦手な人はぜひ高橋さんのクラスを受けてみてください。

高橋
高橋

妄想力全開でお待ちしてます!

 

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