地元国立大学を卒業後、父から引き継いだのは演歌が流れ日本人形が飾られたケーキ屋。そんなお店をいったいどのようにしてメディア取材の殺到する人気店へと変貌させたのかーー。株式会社モンテドールの代表取締役兼オーナーパティシエ・スギタマサユキさんの半生とお菓子作りにかける情熱を、安田佳生が深掘りします。
第54回 「飲食店でうまくいく人」に共通するものとは?

ええ。万が一回収できなくても、生活が根幹から揺らぐわけでもないので。とはいえ本人が真剣に「飲食で成功したい」と考えているなら、業態より立地が重要かなと思いますね。料理の味ももちろん大事ですが、「そもそもお客さんが来てくれる場所かどうか」が成功を左右するというか。

前者でしょうね。飲食って本当に難しいので、人を雇ってお店をやるならよほどコンセプトが面白くないと厳しい。「この店に足を運ぶ理由」は何なのかが明確じゃないと、なかなか選んでもらえないと思います。

フランチャイズが難しいのと同じ理由かなと思います。本部からの一括仕入れだけだとコスト調整の自由度が低いし、しかも今は物価が上がっているので。かなり臨機応変に判断できる人が現場にいないと厳しいでしょうね。

参入障壁が低い分、競争が激しいですからね。ケーキ屋だけでも正直、差別化するのは簡単じゃない。まして飲食全般となれば業態がさらに膨大ですから、生き残り競争は一層厳しくなるでしょうね。
対談している二人
スギタ マサユキ
株式会社モンテドール 代表取締役
1979年生まれ、広島県広島市出身。幼少期より「家業である洋菓子店を継ぐ!」と豪語していたが、一転して大学に進学することを決意。その後再び継ぐことを決め修行から戻って来るも、先代のケーキ屋を壊して新しくケーキ屋をつくってしまう。株式会社モンテドール代表取締役。現在は広島県広島市にて、洋菓子店「Harvest time 」、パン屋「sugita bakery」の二店舗を展開。オーナーパティシエとして、日々の製造や商品開発に奮闘中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。