この対談について
株式会社ワイキューブの創業・倒産・自己破産を経て「私、社長ではなくなりました」を著した安田佳生と、岐阜県美濃加茂エリアで老舗の葬祭会社を経営し、60歳で経営から退くことを決めている鈴木哲馬。「イケイケどんどん」から卒業した二人が語る、これからの心地よい生き方。
第34回 議員の定年制が、社会を世代交代させる
第34回 議員の定年制が、社会を世代交代させる

そう、環境に適応できなかったんです。それは恐竜の寿命がものすごく長くて、なかなか進化しなかったからだと言われています。反対に、当時の哺乳類は平均寿命が短くどんどん世代交代していた。だから進化、つまり環境への適応が早かったそうです。

ええ。「若者のテレビ離れ」なんて言葉をよく聞きますが、当然ですよ。老人たち向けの番組しか流れていないんですから。そういうことも含めて世代交代できていないのが、今の日本に閉塞感をもたらしている一番の理由なんだろうと思うわけです。

笑。そういうどうしようもない状況を変えるため、50歳を過ぎたら1人あたりの投票力を下げるのはどうかと思うんです。50歳までは1人1票というカウント。でもそれ以降は徐々に0.9票、0.8票と下がっていき、60歳以降は0.1票としかカウントしないんです。

まぁ、これはある種の例えで。生物学的に死ぬ必要はないけれど、社会的に死ぬ、つまり下の世代にポジションを譲るということは大事だと思います。先ほどの投票力の話で言えば、政治的に死ぬ、ということですね。

なるほど。私なんかはもっとシンプルに、会社にも定年制があるんだから、政治家も60歳で定年にすればいいと思っちゃいますけどね。会社員は定年後に再雇用されたら給料が下がる。だから「定年後も政治家でいるなら給料は10分の1になります」と言えば、意外とみんなすぐ辞めるかも(笑)。
対談している二人
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。