第4回 中小企業の「何でも内製化しすぎ」問題

この対談について

住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。

第4回 中小企業の「何でも内製化しすぎ」問題

安田
これまでランリグさんって、基本的には住宅業界の会社さんと取引されてきたじゃないですか。今回の「その道のプロ」事業は、住宅業界以外の会社さんでも利用可能なんですか?

渡邉
もちろんもちろん。ご要望あれば対応させていただきます。ともあれ、そもそも外部スペシャリストを活用するって考え方は、例えばIT業界ではとっくに当たり前だったりするわけですよ。
安田
ああ、確かにそうかもしれませんね。

渡邉
なのでウチとしては、まだそういった人材活用が一般的でない業界で、いわゆる「翻訳係」を務めることに意義があるのかなと思ってまして。それこそ昔ながらの事業をしている中小企業さんとかね。
安田
確かに、大手だとそれなりにお金払えるんで、優秀なスペシャリストは囲い込んじゃいますよね。年間契約で5000万円まで払えますみたいな。でも中小企業ではそうはいかない。

渡邉
そうなんですよね。でも一方で、最近はフリーランスの方も増えてますし、「有名企業じゃなきゃ嫌だ」っていう価値観も変わってきてるように思うんですよ。
安田
それはそうかもしれませんね。田舎に暮らしてフルリモートでやりたいとか、連絡は全部チャットでくださいとか。

渡邉
そうそう。そうやって価値観が多様化しているので、中小企業さんも全然チャンスがあるというか。複数社と横断で仕事するスペシャリストは増えていくだろうなと。
安田
私もそれはそう思うんですよ。でもスペシャリストさん側の視点に立つと、大手なら数社ですむかもしれないけど、中小企業だと単価が低い分、5社とか10社は必要になりますよね。そこが一番ネックなんじゃないかと。

渡邉
それは仰るとおりだと思うんですが、そういう意味でウチが強いのって、すごくたくさんの経営者と繋がれているというところで。
安田
確かに。しかもある程度のお金を決済できる社長さんたちですもんね。どれくらいの人数と繋がっているんですか?

渡邉
延べで言えば1000社以上あると思いますね。普段からご相談をさせてもらっている人、と考えても200〜300名は普通にいます。あとは自社でラジオ番組もやっているので、その認知もあったり。
安田
ラジオ番組というと、Podcastですよね。もう何年くらいやっているんでしたっけ。

渡邉
8年ですかね。そこにも300名以上の経営者さんに登場いただいてますし、登録してくれたスペシャリストさんにはある程度の社数を紹介できると思います。
安田
なるほどなるほど。例えば「経営企画書を書かせたら日本一」みたいな人は、渡邉さんに言えばそういう部分を望んでいる会社さんを紹介してくれると。

渡邉
そうですね。まあ、飲み営業でも同じなんですが、お互い人間なので合う合わないはあると思いますけどね。
安田
でもそもそもの話、いまそういうマッチングをオンラインでやってくれるサイトっていっぱいあるじゃないですか。スペシャリストと企業を繋ぐっていう。

渡邉
ありますよね。企業さん側がなかなか集まらなくて苦労しているって話は聞きますけど。
安田
そうそう。でもそれって当然で、企業側からすると、有象無象が見分けつかないわけですよ。例えば企業がパズルだとして、「ここのピースが欲しい」と思っても、ちょっとでもズレてたらはまらないわけで。

渡邉
そうですよね。中小企業なんて特にニッチなので、そのピース通りのスペシャリストを探すのは非常に難しいと思います。
安田
ですよねえ。でもランリグさんの場合は、そこにちゃんと介在して細やかなマッチングをしてくれると。

渡邉
ええ、ちゃんと介在します。そもそも僕らの役目ってただ紹介することじゃなくて、しっかりロードマップを描いて進捗管理していくって所にあるんです。
安田
ロードマップと言うと?

渡邉
さっきの安田さんの話で言えば、むしろジグソーパズル自体を作るというか。社長が何に悩んでいるのか、それを解決するにはどんな役割の人が必要で、どんなフローで進めていくのか。そういう地図をウチが描くわけです。
安田
なるほど。ということは結構ちゃんとヒアリングするってことなんですか。

渡邉
もちろんそうです。1ヶ月くらいかけて話を聞きながら、詳細なロードマップを作ります。先ほどの話にあったオンラインサービスなどは、ここまでは絶対やってくれませんから。
安田
なるほど、まずはしっかり見える化して、2ヶ月目から稼働させていくと。

渡邉
ええ。これができるのは、20年間いろんな社長のいろんな課題に取り組みまくってきたウチの強みだと思います。
安田
社長自身、自分が何に困っているのかわかっていない、悩みの本質を勘違いしてる、なんてケースもありそうですけど。そういう場合はちゃんと言うんですか?

渡邉
言いますね。たとえばマーケティング一つとっても、集客、販売、見込み客フォローとかいろいろあると思うんですけど、社長がいまどんなマップを描いているのかの洗い出しから、必要があれば調整や修正まで行います。お金のことも含めてね。
安田
なるほど。私なんかは、たとえば採用なんかに関してはスペシャリストに丸投げしちゃった方がいいんじゃないかと思いますけど。

渡邉
確かにそうですね。1年中ずっと募集するわけでもないですしね。
安田
そうそう。それに、社長にしろ人事担当にしろ、「できる人」じゃなく「好きな人」を採用しちゃうでしょう?能力があっても嫌いだと思ったら落としちゃう。そのあたりはだから、やっぱり第三者がジャッジするべきだよなと。

渡邉
わかります(笑)。まあ、前提としていまの中小企業さんは、何でも内製化しすぎなんですよ。外部スペシャリストをガンガン活かして、より大きな成果を目指していくべきだと思いますね。

 


対談している二人

渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役

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1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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