ブルーからレッドへ

できればブルーオーシャンで仕事をしたい。
誰もが当然のごとくそのように考える。
だが現実にはレッドオーシャンの中で、
日々過酷な競争に苛まれている人がほとんどだ。

競争のないブルーオーシャンを目指しているはずなのに、
気がつけばいつもレッドオーシャンの中にいる。
それは決して偶然ではない。
多くの人は行き着くべくして、
レッドオーシャンに向かって行くのだ。

なぜそうなってしまうのか。
それは思考が真っ赤っかだからである。
たとえば彼らはこのように考える。
競争から脱して、より効率よく仕事をするために、
最新の管理システムを導入しよう。

よく考え、よく調べ、決して間違えないように、
確実な一手を打ちに行く。
だがそれは典型的なレッド思考なのである。

よく考える。よく調べる。確実な一手を打つ。
これのどこが間違いなのか。
いや、どこにも間違いはない。
寸分の隙もなく完璧である。
だからこそレッド思考なのである。

なぜなら多くの人は「間違いのない戦略」を
選ぼうとするから。
そもそもレッドオーシャンとは何か。
それは競争の激しいマーケットのことである。
ではそのようなマーケットはどうやって生まれるのか。

答えはいたってシンプルである。
多くの人が参入するから競争が激しくなるのだ。
ではなぜそんなにも多くの人が参入したがるのか。
それは正しいからである。

誰がどう考えても正しい一手。
そこには多くの人が流れ込んでくる。
つまり多くの人にとっての正しいはレッド、
100%正しければ100%レッドなのである。

大きなマーケット、効率のいい仕事、
顕在化されたニーズ。
これらはすべてレッドオーシャンである。
なぜならそこには参入しない理由がないから。

ではブルーオーシャンとはどのようなマーケットなのか。
もちろんそれは多くの人が参入したがらない、
あるいは参入しにくいマーケットである。
たとえばとても小さな市場。
手間がかかって非効率的な仕事。
まだ顕在化されていないニーズ。

そんな面倒な場所には誰も入ろうとしない。
ゆえに競争がない。価格がつけ放題。
だから儲かるのである。
一見ブルーに見える場所は時間とともにレッドになる。
一見レッドに見える場所は時間とともにブルーになる。

当たり前の話なのだが、
この当たり前を多くの人は実行できない。
目の前のブルーに飛び込んでしまい、
気がついたときにはレッドオーシャンに
飲まれていくのである。

 


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