ゴミをポイ捨てする人はよくこんな言い訳をする。
俺はゴミを拾うという仕事を生み出しているのだと。
無茶苦茶な理屈だと思うが一理あると言えなくもない。
何も指示しなくても完璧に仕事をこなす
部下ばかりだったら、上司は要らなくなってしまう。
出来の悪い部下からしたら「あなたの仕事をつくって
あげている」と言えなくもない。
犯罪者がひとりもいなくなったら、
警察官は相当数リストラされることだろう。
ムダなものを食べず、ムダなことをせず、必要最低限の
生活をすれば、お金なんてそんなに必要ない。
のんびり豊かにみんなで過ごせばいいではないか。
もしそうなったら仕事を失う人が
続出することになるだろう。
人間とはムダを消費しながら生きている動物なのである。
人がムダを消費し続ける限り仕事も無限に生まれてくる。
髪を染めたり、引っ越しをしたり、ダイエットに
取り組んだり、ラーメンを食べたくなったり。
旅をしたり、ゴルフに行ったり、ゲームにのめり
込んだり、アトラクションに乗ったり。
ムダ、ムダ、ムダ、ムダ。
「生活のために働いているのだ」と言いながら、
その実やっていることはムダなことばかり。
ムダを止めれば楽になる。
だがムダを止めればみんなの仕事も減ってしまう。
仕事が減ってムダも減る。
これが人類の目指すべき姿なのか。
ムダが増えて仕事も増え続ける。
これこそが人間の人間たる所以なのか。
やりたきゃやればいい。それが私の答えだ。
では誰もやりたがらない仕事は?
テクノロジーによって奪えばいいのである。
絶対に仕事はなくならない。
人間が人間である限り。それが私の結論である。
しかし仕事には2種類ある。
人がやりたがる仕事とやりたがらない仕事。
もっと厳密に言うなら「誰かがやりたい仕事」と
「誰もやりたがらない仕事」。
その中で人間はやりたい仕事だけをやればいい。
では誰もやりたがらない必要な仕事はどうすればいいのか。
その仕事をなくすための仕事を誰かがやればいいのである。
そんな理想が実現するものかと言われそうだが、
実現するのは簡単である。
キーワードは「やりたきゃやればいい」だ。
やりたくない仕事はするな。ただそれだけのこと。
当然のことながら誰もやりたくない仕事は余ってくる。
それをテクノロジーで解決する。
解決したいという人が必ず現れてくる。
重要なのは最初の一歩だ。
みんなが妥協せずやりたいことをやりゃあいいのである。
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1件のコメントがあります
いつもコラムを読んでいます。
うだうだ宣わず、やりたいことをやればいい、短くてシンプルで力強い言葉です。
頷く言葉、ありがとうございます。