マイクロビジネスの可能性

中途半端な規模の中小企業はもう生き残っていけない。これはほぼ確実な未来予測である。下請け業者も、小売業者も、この先どんどん合併していくことになるだろう。一定規模までスケールしないと価格競争に勝てないからである。価格差は集客・販売力の低下に直結する。無理して価格を合わせにいくと利益がどんどん薄くなる。当然のことながら従業員の待遇も劣化する。

家族なら我慢してくれるかもしれないが従業員には我慢する理由がない。人材の流動化が加速して条件の良い会社に人が集中する。中堅以上の会社が存在するマーケットでは小規模事業者は生き残れない。経営者はこの事実を一刻も早く受け入れるべきである。続ける気があるのなら規模を追求するしかない。買収するか売却するか。決断期限はもう目前に迫っている。

では小規模事業者は日本から消え去ってしまうのか。私はそうは思わない。中堅以上の会社が絶対に入ってこない小さなマーケット。そこは小規模事業者にとってのオアシスである。大きくするのではなく逆に小さくしていく。これが生き残るためのキーワードだ。ターゲットを絞り込み、商品やサービスに磨きをかけ、高単価×小ロットという小さなオアシスを作り出す。

最も作りやすいのは個人ビジネスである。私自身が納品クオリティを約束させていただきます。それは他者が入り込む余地のないマーケット。顧客としっかり繋がれば無敵のマイクロビジネスが出来上がる。次に考えられるのは特殊なスキルやこだわりを持った2〜5人が集まって作るマイクロビジネス。個性の組み合わせによって一定規模の市場が誕生する。これも理想の形だろう。

ポイントは人の顔が見える規模であること。ここがオアシスの境目だ。見方を変えればマイクロビジネスは人がボトルネックとなる。だがこれを解消しようとしてはいけない。人に依存しないビジネスモデルに移行した瞬間に他社が参入する。旨みがあれば大資本も入ってくる。こうなっては元の木阿弥だ。

重要なのは従業員一人当たりの生産性である。ここが最大化する規模で拡大を止めること。マイクロビジネスなら報酬1000万円は十分可能だ。私にしかできない仕事にはやりがいもある。大きなビジネスを作ることだけが経営者の仕事ではない。複数のマイクロビジネスを組み合わせることで強固な中小企業になれる。マイクロビジネスには無限の可能性が秘められているのである。

 

 

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