日本の学校教育は残念ながら時代にマッチしなくなってきている。最大の問題は指示・管理をベースとした人材育成になっていること。教えた通りのやり方で、言われた通りに回答しなければ、点数がもらえない。たとえ答えが合っていても、より良い手法を使ったとしても、教えた通り・言われた通りでなければ評価に値しないのである。
これは教育のゴールが「高い精度で言われた通りの作業を実行できる人材」となっているから。すべての社員が、いかに素早く、いかに効率よく、ミスせずタスクを実行するか。それが業績を左右する大きな要因となってきた。だから企業はこぞってそのような人材を求めたし、有名企業への就職をゴールとする教育機関は、そういう人材を育てるべくカリキュラムを組んできた。
だがここにきて企業の評価は逆転した。言われた通りに作業をこなす人材だけでは、大きな付加価値も利益も生み出すことができなくなったのである。いま企業が最も評価するのは自己管理能力の高い人材である。最大の成果を上げることを目的とし、何をやるか、どうやるかを自分で決め、計画通りに実行していける人材。
成果さえ上げてくれればプロセスは問わない。自宅で働こうが、何時に仕事をしようが、どういうやり方であろうが、構わない。年齢に関わらず、このような人材には多くの報酬が支払われる。一方で、指示管理を他人に丸投げする人材は評価が低い。想定外の付加価値を生み出さないし、指示管理するためのマネジメントが必要だし、年齢とともに生産性も落ちてくるから。
もちろん指示命令通りに仕事をこなす人材は必要である。現場で働くこのような人材がいないと企業は利益を生み出せない。だがそれは代わりの効く人材であり、報酬を抑えることで利益が増えていくコスト部分の人材でもある。つまり学校教育でゴールとされている人材になっても報酬は増えないのである。
社会での評価を上げたいなら自己管理能力を磨くことだ。これがあればお金も時間も働く場所もどんどん自由になっていく。指示された通りに動く人材はどんどん不自由になっていく。これは時代の流れであり経営努力で変えられるものではない。自由に生きて大きな報酬を手にしたいなら、自分自身の管理を決して他人には委ねないこと。学校を疑い、先生を疑い、時には自分の親をも疑う。悲しいかなこれが正解なのである。
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