其の六十壱 センスってなに?

イノベーションカードが知らせる

本日の斬り口:境界線を引く
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境界線を引くか。
このウェブサイトを
運営している、
安田氏は境目研究家だ。

このイノベーションカードが
登場するたびに、
境目研究家は
どんな世界を
観ているのだろうかと
拙者のクルミ大の脳を
ササっとかすめていく。

まっ、それは
ほっといて、

センス

にはどんな境目が
あるのだろう。

引き合いに
出されやすい言葉の
ひとつに

スキル

がある。

著名で優秀な
諸先生方が、
異口同音に

これからはセンスの時代
スキルの時代は終わった

とかおっしゃている。

ビジネス系の
ウェブマガジンでも

スキルとセンス

がテーマになっている。

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スキルを技術、
センスを感性だとすると

近代社会の
拙者たちの暮らしは

技術の恩恵を受け
感性を閉じている。

と言えるかもしれない。

たとえば、
自分が生活していて、

アメダス

を検索確認したり
アプリで見ても

空を仰ぎ見て
雨を捉えよう

とする人は少ない。

スーパーマーケットに
買い物のにき、
鶏肉を買うとしよう。

生産地やグラム、
価格や日付

のデータ確認はしても、

鶏が鶏肉になる
死に思いを馳せる

人は少ない。

ゴミを出すとき、
部屋の中から

指定された曜日
指定された分類

に合わせ、ゴミを
集積場に運ぶ。
それでゴミはなくなった
気分になる。

その先にある
ゴミの本当の行く末と
地球の状態を
想像する

人は少ない。

地球の周囲にある
人工衛星の

技術の恩恵

を使って
GoogleEarthを
楽しむが

人工衛星の数と
宇宙のゴミを
想像することはない。

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拙者たちは
感性を閉じて
暮らしている。

そういう時間を
長く過ごしてきた。
だから、

自分が平穏に暮らす

ために、

自分が忌み嫌う

ことやものへの
寛容度は低い。

せっかく感性を閉じて
うまくいっているのに
それを

ひらく

存在は苦痛でしか
ないのでござる。

子どもの声がうるさいから
保育園つくるな。

土地の値段が落ちるから
火葬場をつくるな。

赤ん坊を連れた女性は
電車にのるな。

といった、主張が
当たり前になされるのは
感性が閉じている生活が
長いからでござる。

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数値化できる
損得が計算できる
という

計算が成立する世界

に技術はある。
その計算も
前提とする情報やモデルが
変容しているので、
これまでの当たり前が
計算ミスであることが
たくさん発覚しているのが
いま、なのであろう。

計算があてにならないときは
感性を使うしかないのだが、

閉じられ続けたものは

磨く

とか

上げる

とかではなく。
まず、開くが先。

閉じると開く

がこれからの
生き方の分かれ道
なのだろう。

拙者にとっては
技術と感性の
境目ではなく、

閉じると開く

の境界線が見えるでござるよ。
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ってことで
センスは、美術館に行けばいいってもんではない。

センスとは

閉じて生きるか、開いて生きるかを問うもの

でござる。
拙者、感性的野性派なので、生きにくい時代が続いたでござるよ。

 


パンダ侍のプロフィール

あまりの弱さに
天敵に追われ、
争いを避けて、
しぶしぶ笹を食べ始める。
しだいに美味しく
感じれらるようになり、
肉食であるにもかかわらず、
肉をまずく感じるようになった
熊を先祖に持つ。

育ての先生の
気まぐれから、

こやつは笹薮から
世間に出してみよう

ということで、
草むらを転がり、
川のせせらぎをまたぎ、
欄干をスキップして、
東京に生息。

ある日、笹かまを食べ、

こ、これは笹ではない

と、その驚きで、ほっぺが落ち、
その衝撃で震えがとまらなくなり、
その震えから膝ががくっと落ちた、
その瞬間、

本質を見定めよ。

と天啓をうける。

それ以来、
本人の意思とは関係なく
白いしっぽが
陰陽太極図となり
白黒混ざり合う世の中で、
そもそもを斬ることになる。

腰に非常食の竹笹を
さしていたところ、

侍だったんですねー。

と、たまたま勘違いされ、
パンダ侍と
呼ばれるようになり、
現在に至る。

 

 

生息地:世田谷区界隈ときどき旅
職業:パンダ侍
特技:白黒和合流そもそも斬
苦手:常識、規則、喧騒、争い
好物:笹かま
信条:昼寝と愉快を選ぶ

執筆者:小野裕子

食べること、人間観察、木彫を修行とし、
愛と誠と調和、そしてユーモアを信条とし、
対話によって内発と創発を起こす現場づくりを得意とし、
中小企業の理念づくりやブランディング、新規事業開発を通じた組織変容、
また、経営者の自己変容セッションを生業にしている。
日本大学大学院藝術学研究科修士課程修了後、
企画・コンテンツ開発会社で企画ディレクションを経験後、2006年、株式会社つくるひとを創業。
売上高2億~7,700億円規模の組織、業種業態を問わず、創業以来780を超えるプロジェクトを経験。
10年間でのべ3万人の現場会議を中心に据え、対話型の課題解決に関わる。
現場プロジェクトメンバーの個人成長と集団組織の変容を
常に後押しするプロジェクト型のコンサルティングスタイルを貫き、「考え方」や「対話デザイン」を修得してもらいながら、実際の課題解決をすすめる。
幼いときは宇宙人、変人と、揶揄され、学校社会になじめないまま成長したが、実社会では「変人視点」が求められることが増え続け、重宝されている。

ツクリビト株式会社 代表取締役
デキル。株式会社 代表取締役
一社)一般社団法人ビーイング・バリュー協会 理事/マスターコンサルタント

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