原因はいつも後付け 第2回「報われない努力」

// 本コラム「原因はいつも後付け」の紹介 //
原因と結果の法則などと言いますが、先に原因が分かれば誰も苦労はしません。人生も商売もまずやってみて、結果が出たら振り返って、原因を分析しながら一歩ずつ前進する。それ以外に方法はないのです。28店舗の外食店経営の中で、私自身がどのように過去を分析して現在に至っているのか。過去のエピソードを交えながらお話ししたいと思います。

《第二回》報われない努力

「一生懸命努力をすれば報われる。」
小学校や中学校の時にこんな事言われた記憶、ありませんか?

勉強でもスポーツでも、とにかく一生懸命努力することが大切。

勉強することを一生懸命努力すれば、有名校へ進学できる。
スポーツすることを一生懸命努力すれば、大会で優勝できる。

逆を言えば、努力をしない人間は何をやっても成果を出せない、という訳です。

じゃあ、お店の経営も一生懸命努力をすれば、繁盛店になれるのでしょうか?

無休で無給の日々

2002年、私は飲食経験がないにも関わらず、バーを開業しました。
周りからは「無謀だ」「起業はそんなに甘くない」と言われましたが、私には「絶対にうまくいくはず」という自信がありました。

なぜそんな自信があったのか?
その理由の一つが「誰よりも努力する」という覚悟があったから。

2002年の1号店を開業する前、私は営業マンでした。
もともと喋るのが苦手な性格にも関わらず一生懸命努力をしたら、新規クライアント獲得数がトップになりました。

努力は報われたのです。

そして営業マンを辞め、自分でお店を開いた後も一生懸命努力をしました。
毎日、全力で接客をし、独学ながら料理やお酒の勉強を続けて休まず営業しました。

結果はどうなったのか?
お店は全く繁盛せず、半年以上「無休で無給」という状態になっていました。

努力は報われなかったのです。

「なぜなのか?」
「私は誰よりも努力している自負がある」

営業マンだった頃、努力は報われたはずなのに、自分でお店を開いた後は、努力が全く報われなくなってしまったのです。

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