日曜日には、ネーミングを掘る ♯080 依頼

今週は!

Oさんという
フェースブックでつながっている
知人からメッセージが届いた。

Oさんは大学を卒業後、
某大手企業に就職。
クリエイティブ・企画畑を
歩いたのち退職し、
いまは庭師をやっている。
私とは同世代である。

暮らし向きは大変そうであるが、
OさんのFBへの書き込みは、
そういうところも含めて、
いつもとても正直だ。

私はそんなOさんのことが好きで、
こちらから誘って一度飲みに行った。
家族のことやらいろんな話をして、
やっぱり正直な人だなぁと思って
家内の実家の庭木の手入れをお願いした。
それがまた丁寧な仕事だった。

メッセージは、
ネーミングの相談だった。

大手企業にいたとき
自分が企画から立ち上げて作った
顧客向けのサービスがある。
お客さんにはすごく評判が
良かったものの
効率化を重視する事業の方針で
使われなくなった。
プログラムは自分に著作権があるので、
リメイクしてライセンスを
提供するビジネスを始めたい。
ただ資金がない。
できる限りのことを自力でやって、
外注するものは売上が入ってから
後払いするしかない。
こんないい加減な客でもよければ、
引き受けてもらえないだろうか

といった内容だった。

もちろん。
喜んでやらせてもらうよ。
僕はOさんのファンだし(笑)、
頼ってくれて嬉しいよ。

私はメッセージを返した。

数日後、連絡があった。

やっぱり前回の条件では
申し訳ないので、
自分なりに考えてみた。
売上の3%を支払うことでどうだろう。

と、丁寧に契約書まで添えてあった。

近頃の仕事では感じたことのない
不思議な感情を抱いて、
Oさんとやりとりをしながら、
その昔、仲畑貴志さんという
コピーライターが書いた
パルコのキャッチフレーズを
思い出した。

その日、資本のない奴は勇気をだした。

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