原因はいつも後付け 第25回 「お店のドアを開ける緊張感」

// 本コラム「原因はいつも後付け」の紹介 //
原因と結果の法則などと言いますが、先に原因が分かれば誰も苦労はしません。人生も商売もまずやってみて、結果が出たら振り返って、原因を分析しながら一歩ずつ前進する。それ以外に方法はないのです。28店舗の外食店経営の中で、私自身がどのように過去を分析して現在に至っているのか。過去のエピソードを交えながらお話ししたいと思います。

《第25回》お店のドアを開ける緊張感

初めてのお店に入る時は少なからずドキドキするもの。

飲食業を起業して18年経ちますが、未だにこのドキドキ感はなくなりません。
程度の大小はあれど、これは皆さんも同じではないでしょうか?

「お店の中はどんな雰囲気なんだろう?」
「初めての人でも歓迎してくれるかな?」

思いは様々ですが、少なからずこう言った期待と不安が入り混じった気持ちを持って、新規のお客さんはお店に来てくれる訳です。

でも残念ながら、この「期待」に応えてくれるお店って結構少ない気がするのです。
その理由は簡単。

だって、お店側からしてみれば、私は毎日お店に来るお客さんの中の1人でしかないのですから。


初めてのお店に入る時に、私がお店に期待している事とは何か?
それは「快くお店に迎え入れて欲しい」というウェルカム感。

ただこれだけです。

でも、不思議とこの期待に応えてくれるお店がとても少ないと感じるのです。

お店に入ったのに、誰も気づいてくれない。
お店の奥の方から、いらっしゃいませの声だけが聞こえる。

こういった経験、ありませんか?

多くのお店が集客に悩んでいるという現実。
にも関わらず、こういった残念な対応をされてしまうお店が多いという矛盾。

なぜ、こんな事が起きてしまうのか?
そこには、毎日お店で仕事を頑張っているオーナーだからこその「盲点」があるような気がするのです。

私が1店舗目を開業した初日。
初めてのお客さんが来るのをドキドキしながら待っていたのをよく覚えています。

「どんな雰囲気の人が来てくれるんだろう?」
「初めてのお店でも気に入ってもらえるかな?」

まさに冒頭に挙げた、私が初めてのお店に入る時に感じているドキドキ感を、お店側の立場から同じ様に感じることが出来ていた訳です。

これは店舗を経営するオーナーなら誰もが経験したことのある思い出だと思います。

ただ、この感覚は毎日営業を続けていけば行くほど薄れていってしまうもの。
そして気がつけば、お店のドアが開くことへの喜びは「毎日のよく見かける風景の一コマ」となり、同時にお店のドアを開けてくれたお客さんへの感謝の気持ちを表現することを忘れていってしまうのです。

だからこそ今一度、意識することが大事なのではないでしょうか?

「オーナーにとっては毎日開けるお店のドアも、初めての人にとっては緊張の扉」という認識のズレがあるという事を。

新規のお客さんにとって、お店のドアを開けてからの第一印象は、そのお店全体の印象に関わると言っても過言ではありません。

「お客さんはどんな気持ちでお店のドアを開けてくれたのか?」
この感覚を意識すること。

お店のドアが開く度にドキドキするのは現実的ではないかも知れません。
でも、お店のドアを開けてくれたお客さんの気持ちになってみる事はできるのではないでしょうか?

だって、オーナーさん自身も初めてのお店に行く時は、お店のドアをドキドキしながら開ける、新規のお客さんな訳ですから。

 

著者/辻本 誠(つじもと まこと)

<経歴>
1975年生まれ、東京在住。2002年、26歳で営業マンを辞め、飲食未経験ながらバーを開業。以来、現在に至るまで合計28店舗の出店、経営を行う。現在は、これまで自身が経営してきた経験をもとに、これから飲食店を開業したい方へ向けた開業支援、開業後の集客支援を行っている。自身が経験してきた数多くの失敗についての原因と結果を振り返り、その経験と思考を使って店舗の集客方法を考えることが得意。

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