泉一也の『日本人の取扱説明書』第69回「火山の国」

泉一也の『日本人の取扱説明書』第69回「火山の国」
著者:泉一也

このコラムについて

日本でビジネスを行う。それは「日本人相手に物やサービスを売る」という事。日本人を知らずして、この国でのビジネスは成功しません。知ってそうで、みんな知らない、日本人のこと。歴史を読み解き、科学を駆使し、日本人とは何か?を私、泉一也が解き明かします。

 

日本には111の活火山がある。世界中にある火山の7%に及ぶ。国土面積は世界の0.25%にすぎないのに。要は、火山密度が異常に高いのだ。そんな火山大国では、噴火という「陰」に見舞われるが、温泉といった「陽」の恩恵を得られる。あまり知られていないが「金」もその恩恵の一つである。

金は火成岩に含まれているが、その火成岩はマグマからできる。火山が多いというのは、マグマが地表にたくさん出て来やすい場所であり、金も豊富にあるのだ。ちなみに鹿児島の菱刈鉱山の火成岩は、世界標準1トンあたり3−4グラムの金含有量の10倍近い金が含まれている。金を大量に産出する火山国日本。まさに黄金の国ジパングである。

マルコポーロが日本を黄金の国ジパングと言ったそうだが、それは盛った話ではなく事実である。しかし今は、黄金の国といった感じは全くしない。金閣寺にその名残を見るぐらいである。金は鉄や銅のように錆びて劣化しないので今に残っているはずであるが、その金は一体どこに行ったのか。それは金本位制を最後まで続けていた世界基軸通貨ドルを持つアメリカである。

江戸時代の日本では大判、小判、一分金といった金貨が大量に庶民に流通していた。そんな国は世界にない。それを見た欧米列強はその金を手に入れるための算段をした。奪うわけにいかない。侍と戦いたくはない。アヘンを売って手に入れる策はもうバレた。そして考えついたのが、銀との交換レートを世界標準よりもぐんと下げて交換すればいい。そこで安く買った金を得て、その金でまた世界で銀を調達し、さらに日本で金を買えばいい。その繰り返しをしていけば、日本中の金を得られる。

タイミングよく日本は軍事力も外交力もない。その隙に超お得な交換レートで条約を結んでしまえ。そう算段をしたのがアメリカである。日米和親条約の肝は金銀の交換レートである。

ブルー・オーシャン戦略は、未知の新大陸を探しだす作業ではありません。
新たなブルー・オーシャンは今いるレッド・オーシャンの中に無数に存在するのです。

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