組織が個に勝てない時代

人間ひとりが出来ることはたかが知れている。
どんなに頭が良かろうが、身体能力が高かろうが、
ひとりでは何もできない。
だからこそ人類は組織という形態をつくりだしたのだ。
あらゆる作業を細分化し、ひとりひとりの人間に振り分け、
全体として最大の成果に結びつける。

組織がなければビルも橋も道路も作ることはできない。
パソコンもスマホも作れないし、
国家や市町村を運営することも不可能だ。
個人技の集まりであるスポーツやエンタメの世界も、
そのバックに巨大な組織があることによって
成り立っている。

個が、どうあがいても組織には勝てない時代。
そういう時代が連綿と続いてきたのだ。
組織に勝つには、
別のさらなる巨大な組織をつくりあげるほか、
なかったのである。

しかし、時代は変化する。
狩猟から農耕に変わったように、
手作業が機械化へと進化したように、
個人と組織の関係も変化したのである。
ある意味この変化は人類史上最大の
変化なのかも知れない。

インターネットというかつて考えられなかった
「もうひとつの世界」が誕生し、
スマホという「別世界と直結するツール」が
全人類の手に行き渡った。
もうひとつの世界の中ではルールが
根底から書き換えられてしまう。

そしてその世界はリアルな世界以上の
影響力を持ち始めているのである。
物理的な組織を超えるバーチャルな組織。
それがインターネットだ。
いや、それはもはやバーチャルではない。
リアル以上のリアリティーを持った組織だ。
そこでのポジションはリアル社会に直結している。

個が組織に勝てない時代から、
組織が個に勝てない時代へ。
私はその未来を予測する。
インターネットは物理的な組織の優位性を
終わらせるだろう。
リアルなデパートが、
バーチャルなショッピングサイトに
勝てなくなったように。

組織は3つの点で個人に勝てなくなる。
まずその大きさ。
個人と個人が直接繋がったことにより
世界最大のネットワークが完成した。
次に発信力。
SNSの普及により、個人は無料で24時間、
組織のルールに縛られることなく発信できる。

そして影響力(ブランド)。
大企業の匿名広報担当が発信する情報よりも、
実名の個人が発信する情報の方が
はるかに大きな影響力を持つのである。
コスト、スピード、影響力。
どれを取っても、組織は個人に勝つことができない。
フォロワーとメディアとブランドを持つ個人が、
組織を完全に凌駕する。

 


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どうすれば企業は生き残っていけるのでしょうか。私は今後、中小企業の経営は二極化していくと予想しています。それは「人を雇い続ける経営」「人を雇わない経営」です。

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1件のコメントがあります

  1. 全く従来の組織がなくなることは無いかと思いますが、安田さんが言及しているように、間違いなく人と人との繋がりは、ネットやスマホを介した繋がりの形成となります。その繋がりは組織を越え、表に出ない多様で変化に富む同じ価値観を持った人の繋がりであり、もうその繋がりを大変身近に感じています。
                         以 上

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