人間交換日記 112通目「空っぽの器の方が打てばよく響く」大野

人間交換日記

「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。


112通目/大野からの返信
「空っぽの器の方が打てばよく響く」

目から鱗です。特に好きな方法で成果を出すやり方を編み出す。これはまさに大切な観点とアプローチです。作家の本田健さん曰く、好きなことは「する」「書く」「人に話す」「グッズにする」「売る」「広める」「教える」「組み合わせる」「好きなことをやっている人をプロデュースする」「好きなことをやっている人にサービスを提供する」というように展開できると提案されています。話は少しだけ変わりますが、空っぽの器の方が打てばよく響く。才能もそれに近い。自分自身が空っぽになったとき、あるいは、空っぽである自分自身を受け入れたとき、自己という最高のリソースと才能が手を合わせる、そんな気がしてならないんです。

前回111通目/安田「答えになっているか分かりませんが」

大野さんへ

好きで得意なことが仕事になれば最高です。ではそれが一致しない場合はどうすればいいか。選択肢はふたつあります。①好きだけど得意でないことを得意になるまで極める②好きではないけど得意なことを好きになるよう工夫する①音楽や野球が好きだけど才能がない。そこで努力するやり方。②営業で成績は残せるけど決して好きではない。それを好きになるやり方。私のオススメは②です。なぜなら①は競争の激しいレッドオーシャンだから。では好きでないものを好きになることはできるのか。私はできると思っています。なぜ営業が好きでないかを徹底的に考える。好きな方法で成果を出すやり方を編み出す。すると得意と好きが一致していく。

ー安田佳生より

 

前々回110通目/大野「苦手をどうしても克服したいという衝動というか憧れというか」

安田さんへ

マイノリティーな意見なのは自覚しております。それでももう少しお付き合いください。確かに安田さんの言うスイッチという表現が正しいかも知れません。ただ、そもそもそのスイッチがオンにならなければ才能が開花されない。僕はやはり苦手な事の中に、そして、それでもその苦手をどうしても克服したいという衝動というか憧れというか、その中に使命・才能が隠れている。否、あえていうと隠されている。そこから好きになったり愛する様になっていく。最初から好きという感覚や感情の中を探すより、苦手な事あたりに真に開花する才能が見つけられるのを待っている気がしてならないんです。ふたりが参照している体験が違うだけかも知れませんが。

ー大野より

 

これまでのやり取り

交換日記をする二人



火曜日
安田佳生(やすだ よしお)

1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
https://ichibantaisetsunakoto.com/
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/

感想・著者への質問はこちらから