人間交換日記 145通目「信仰とは欠落である」安田

人間交換日記
「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。


145通目/安田からの返信 「信仰とは欠落である」

人間だけが後悔できる。人間だけが避妊できる。人間だけが忖度できる。人間だけがやせ我慢できる。う〜ん。考えれば考えるほど人間っておバカですよね。そしてトコトン自然の摂理に反しています。やはり人間とは宇宙の調和を逸脱した存在なのでしょう。良いか悪いかは置いといて、そういう存在であるということ。他の動物には宇宙の調和がベースとして組み込まれている。でも人間にはそれがない。だから信仰が必要なのだと思います。欠落したベースを埋めるために。では何を信じるのか。それは個人の自由です。きっと、それが人間のすごいところであり、とことん愚かなところでもあるのでしょう。

前回144目/大野「誰もが信仰している」

安田さんへ

人間だけが○○できる。ここに安田さんなら何を入れますか。複数OKです。それらは何を物語っていて、何を物語っていないのでしょうか。例えば、人間の皮膚ひとつとって見ても、カジノやAmazonのセキュリティーレベルを遥かに凌ぐシステムですが、いったい誰がこれを創れる?僕は特定の宗教を信じてはいません。しかし、裏を返せば無宗教という宗教を信仰していると言える。結局、意識的だろうと、無意識的だろうと、誰もが信仰していると言える。それが明確なのか漠然なのかは別にして、信仰が人間をつくっている。そして、その信仰に値するかの証明は不可能。根拠があるかないか?ではない。何を信仰していけばよりよく生きるか?です。

ー大野より

前々回143通目/安田「人間というバグ」

大野さんへ

人間を人間たらしめるもの。人間が人間として生きている証。それはいったい何なのか。これは興味深いですよね。そもそも人間ほど愚かな生き物はいません。生きるために必要とは思えない野心や欲望を持ち、事あるごとに他人と無意味な比較をし、過ぎたことを後悔し、まだ起きていない未来を考え不安になっていく。訳のわからない生き物だと思う反面、これこそが人間の存在意義かもしれないとも思うのです。自然界は本当に完璧にできています。だからこそ人間のようなバグが必要なのかもしれません。完璧なる調和に疑問を突きつけるもの。これは宇宙の意思なのでしょうか。それとも宇宙への叛逆なのでしょうか。

ー安田佳生より

 

これまでのやり取り

交換日記をする二人



火曜日
安田佳生(やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。 2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。
●金曜日
大野栄一(おおの えいいち) 株式会社一番大切なこと 代表取締役 https://ichibantaisetsunakoto. com https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/

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