第129回 「クリニックもインボイスに登録すべき?」
お医者さん
最近はインボイス制度の話題がよく聞こえてくるな。うちのクリニックも登録したほうがいいんだろうか。
結論から言えば、登録したほうがいいように思いますよ。
絹川
お医者さん
ん? 君は一体……
はじめまして。ドクターアバターの絹川と申します。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしています。
絹川
お医者さん
ドクターアバター? ふうん、今はそんな働き方もあるんだね。それで、やっぱりインボイスは登録したほうがいいの?
そう思います。保険診療って基本的に消費税は非課税なので、登録しなくてもいいんじゃないかって思うお医者さんも多いんですけど。
絹川
お医者さん
そうなんだよ。そもそも消費税がかからない事業なんだから、別に必要ないんじゃないかって思うんだよな。でも、これだけ世の中で話題になると、なんとなく不安になってきて。
そうですよね。繰り返しになりますが、法律的・制度的には実際、登録しなくてOKという場合も多いんですよ。それでも私が登録をオススメをするのは、ズバリ“企業向けの対策”としてなんです。
絹川
お医者さん
企業向けの対策?
はい。繰り返しになりますが、法律的・制度的には登録が必要ない場合でも、「インボイス登録事業者になっていない」ということがマイナスイメージになることがあるんです。
絹川
つまり、何ら法律違反をしているわけではないのに、「このクリニックはインボイス登録事業者じゃないから仕事の発注はやめておこう」なってしまうケースが考えられるんですよ。
絹川
お医者さん
ええ?そうなの?
マイナスイメージと言うと少し言いすぎかもしれませんが、同じ値段で仕事を頼めるとするなら「インボイス登録者」が選ばれる可能性は高くなるでしょうね。
絹川
お医者さん
ふうむ、なるほど。でも、企業から仕事が頼まれるって言うとどういう場合が考えられる?
そうですね。例えば健康診断や予防接種なんかが典型的です。あるいは産業医報酬もそうですね。
絹川
お医者さん
ああ、なるほどなあ。要するに、自分のクリニックで保険診療だけやっている場合はいいが、外部の企業と関わるなら登録しておいた方がいい、ということか。
仰るとおりです。一般の患者さんを相手にしているうちは特に問題にはなりませんが、企業相手だと嫌でも意識することになると思います。
絹川
お医者さん
確かにそうだね。うん、ちょっと前向きに検討してみるよ。
はい!必要があればサポートしますのでお気軽にお声がけください!
絹川
医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。
著者:ドクターアバター 絹川 裕康
株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。