システム運用は、みんなで。〜お医者さんは、なやんでる。 第163回〜

第163回  システム運用は、みんなで。

お医者さん
お医者さん
え? 検査結果のデータを電子カルテに取り込む方法? いや、そんなの私に聞かれてもわからないよ……
お医者さん
お医者さん
いや、先輩が休んだからやり方がわからないって……なんでマニュアルくらい作っておかないんだ。
こんにちは、先生。なにか問題ですか?
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
んん? ああ、絹川くん。いいところに来てくれた! この検査結果、どうやって電子カルテに取り込めばいいの?
ああ、それはここをこうして………
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
おお! ありがとう。さすが電カルの専門家だ! それにしてもよかった。絹川くんが偶然顔を出してくれなきゃ、ずっとわからないままだったよ。
お役に立ててよかったです。とはいえ、誰かが休むとシステムが動かせない、という状況はちょっと危険ですね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そうだよねぇ。ベテランの事務員が病欠しちゃっててさ。彼女しかわからない操作がいっぱいあるらしいんだよ。
まあ、作業を分担して進めること自体が悪いわけじゃないですが、誰かが急に休んだり、あるいは辞めちゃった場合の対処法は考えておくべきですね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ああ、そうか、辞めちゃう場合も……。
ええ。何があるかはわかりませんから。他のクリニックで、以前働いていたスタッフが組んだExcelシートをずっと使っていて、それが壊れた時に誰も直せなかった、みたいな話も聞きましたよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ああ、ウチもそれに似た状況なのかもしれない。いまあのベテランさんに抜けられたら、システム周りに詳しい人間が誰もいなくなってしまう。一体どうすれば……
先生も先ほど仰っていましたが、やっぱりある程度はマニュアル的なものを作成しておいた方がいいでしょうね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ああ、やっぱりそうか。「それを見れば誰でもやり方がわかる」というファイルを作っておくべきだよね。
ええ。とにかく避けるべきは「属人化」で、マニュアルを作った上で分業するのは何の問題もありません。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほどね。とはいえ、「誰が見てもわかるマニュアル」って、口でいうほど作るのは簡単じゃないよね。
いわゆる取扱説明書レベルのドキュメントじゃなくてもいいんです。手順を簡単にまとめたテキストを共有するくらいで十分だと思います。そういうテキストをさらにまとめて、チャットツールなどで共有しておけばなお安心です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ははぁ、なるほど。それなら手軽にできそうだ。
そうですね。新しい操作法やエラーに気づいた時は、それについてのコメントを足していったりもできますし。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ああ、そうだね。……とはいえ、私も含めてウチはIT音痴ばかりだからなぁ。上手に活用できるか、正直自信がないよ。
もちろん、マクロなどのツール類まで自分たちで作るのは現実的じゃないですから、一定レベル以上の対応は業者に任せた方がいいでしょうね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
まぁそうなんだろうけど、でも業者さんも忙しいから、連絡した時にすぐ対応できない場合もあるでしょ? そう考えるとやっぱり院内に詳しい人を置いておきたいんだよね。
なるほど。確かにこれだけIT化が進んでいる中ですから、専任のシステム担当者を雇うことも検討していいと思います。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
だよねぇ。ちょっとそういう求人をかけてみようかな。
そうですね。試しに出してみて反応を見るのはアリだと思います。ただ、そう簡単にドンピシャの人は見つからないと思いますよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ん? そうなの?
優秀なエンジニアは引く手あまたですし、正直、医療業界の報酬は低いので、別業界に流れてしまうことが多いんです。かなりいい条件で出さないと厳しいでしょうね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
うーむ、そうなのか。
それに、仮にいい人が採用できたとしても、その人におんぶにだっこ状態になってしまえば、それこそ今以上に属人化が進んでしまう。やっぱりまずは、コツコツとマニュアルを作りつつ、業者さんとの関係構築をやっていくことじゃないですかね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほど、確かに! 私もちょっと心を入れ替えて、自分事として取り組むことにするよ。アドバイスありがとう!

 

医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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