このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/後輩力の磨き方
某人気商社さんが実施する、「新人×若手の交流会」なる場に参加させていただきました。
雑談を通した「交流」そのものが目的ではあるものの、お互いの「成長促進」の場として活用されていると感じました。
新入社員たちから、ちょっとした疑問・悩みも含めて、様々な質問が上がり、
それに、若手の先輩社員たちが体験談を交えながら対話していく、そんな流れでしたが、
印象に残っていることを共有します。
「『新人研修で後輩力を磨け、可愛がられる後輩になれ』と言われたのですが、先輩たちはどんなことを心がけていますか?」
こんな問いに対して、
「Kくん。話してやれよ。」
「こいつ、今、4年目だけど、新人時代から、社長や役員も含め、上司という上司に、めちゃくちゃ可愛がられまくってきてるからさ」
と、紹介された、4年目社員のKさん。
とっても面白いひとでした。
「先輩や上司、大人なんて、『好きになって、使い倒す』、それだけですよ」
◆嫌な人だっているでしょ?
「人間だからさ、嫌いなところだってあるとも思う。でも、そんなのはお互い様。自分にも相手にも、どっかしら学べるところは誰にでもある。だから、基本的には誰のことも好きから始めちゃってます」
「好きな相手だから、『ありがとう』とか『すごい!』とか、言いまくっちゃう」
◆すごいとか、本当に思っていない人もいるでしょ?おべっか使ったり、ペコペコするの嫌じゃないですか?
「本当に思っているかどうかは関係ない。本当に思う必要なんてないよ」
「意識されながら褒められたりするのって嫌だし。なんか褒めるために何か無理くりしてる人って、気持ち悪いもん」
「クソ嫌い、と思っている人には言わないだろうけど、俺、そんな人いないんだもん」
◆でも、普通は出来なさそうですよ、、
「仕事ってさ、色々な人との関わりが前提にはあって、ポジティブな出会い、ネガティブな出会いも含めて仕事なんだから、そんな出会いをくれるだけで、ありがたいな、って思う」
「だから、その場その時に思ったことを素直に伝える。それだけ」
◆社長や役員、お客様であっても、忖度なしに素直に伝えるんですか?
「そりゃそうだよ。子供って、思ったことをなんでも言うでしょ」
「子供が親や教師や大人を気にし出して、そこに意見や感想を寄せ出したら、途端に可愛げがなくなる。気持ち悪いでしょ」
「無邪気なままで、人生の先輩を使い倒しちゃう」
◆上司や先輩を使い倒すって、難しくないですか?
「だって、先輩たちの方が、経験値も実力もある人たち多いんだから、『助けてよ。手伝ってよ』って、なんもおかしいとこないでしょ?」
「『お前、後輩のくせにな、、』って笑いながら言ってくれる人ばかりですよ」
「人は人に求められることが幸せなんだと思います。これ絶対。どんなに偉い人でも、同じだと思うんです」
「だから、人を好きになって、褒めまくって、全肯定して、それで頼りまくる。そんな実験をしている最中なんです」
語る姿は楽しそうで、とっても素敵な人やな、とすっかりトリコになってしまいました。
「子供のように、正直に、『好き』の感情を相手に伝えるだけで、ありがたいことに周囲から可愛がっていただいています」
「でもね、、」
「もし、相手に対して『好き』と伝えたのなら、相手のことをよく見る必要はあると思っています」
「何が好きで、何に興味関心があるのか、ある程度は理解してからでないと、共感なんて生まれないと思うので」
「なんか、無理して子供になろうとか、子供っぽさを出そうとかするくらいなら、数字や成果を出すだけに集中したほうが、よっぽど良いんじゃない、って思います」
なんだか、グッときました。
そして、最後に
「率直な感想は人間関係の第一歩だと思うのです。だから、良いな、と思ったら、皆さんも実験してみてください」
「手始めに、今日の感想なんかを、あとで教えてくれたら、俺、めっちゃ嬉しいです」
「スピーチした後って、何か、感想を言ってもらわないと、あれ、、滑っちゃったのかな?、とか、不安になるでしょ。俺、今まさにその状態です、、」
「そこで、感想を伝えてくれたりする人のこと、好きになっちゃうと思うんだww」
とても気持ちの良い方で、彼の周りに人が集まってくる理由がわかった気がしたのであります。