第165回「プレパラートに広がるミクロの世界という小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

「プレパラートに広がるミクロの世界という小さなブルーオーシャン」


「珪藻(けいそう)アート作家:奥 修 氏」

「プレパラート」って覚えていますか?
学生時代、理科の授業で、
顕微鏡を使う際に使用された
板状のガラスです。

販売すると、約40分で売り切れてしまう
プレパラートを作っている人がいるのです。

その方のお名前は「奥 修」氏。
珪藻アート作家であり、
ミクロワールドサービス代表の奥氏は、
数々の珪藻標本を生み出してきました。
彼の販売用ホームページでは、
毎年数十点の標本が掲示されると、
瞬く間に注文が殺到し、
売り切れてしまうという驚異的な人気ぶりです。

珪藻とは藻(も)の一種。
水がある場所ならどこでも見つかり、
動物プランクトンをはじめ
多くの生き物のエサとして、
自然界にとってなくてはならない存在です。

その珪藻を顕微鏡で覗くと、
そこには驚くべき美しさが広がっています。
微細な珪藻の形態やパターン、
色彩の多様性は、自然界の芸術作品とも言える存在です。

vectambulistによるPixabayからの画像

奥氏は、その美しさを最大限に引き出すため、
繊細な技術と独自のアートセンスを駆使して
標本を制作。

また、珪藻標本には科学的な意味合いもあります。
珪藻は地球上で最も古い生物の一つであり、
地球の進化や環境の変遷を示す
貴重な指標とされています。
それゆえ、珪藻標本は生物学や地学の研究においても
重要な役割を果たしています。

珪藻をここまで完璧な標本にできるのは、
世界でも奥氏たった一人と言われているそうです。

プレパラートも珪藻も
非常にニッチな世界です。
しかし、その世界観に惹かれる人もいます。
とても小さなブルーオーシャンの世界でした。

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ミクロワールドサービス
代表:奥 修 氏
https://micro.sakura.ne.jp/mws/
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佐藤 洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

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