“生粋の商売人”倉橋純一。全国18店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。
第45回 5年間の試行錯誤で見つけたもの
最近はとにかく絶好調な万代さんですが、かつては集客で苦労して鬱になりそうだったこともあるんですよね。
ええ。メルカリが黒船のように登場して、リユース業界がガラっと変わったタイミングでした。徐々にお客さんが減っていくのは感じながらも、どうしたらいいかわからなくて。
なるほど。逆に言えば、メルカリが出てくるまでは集客に苦労することはなかったわけですか。
ちょうど10年くらい前で、私も既にお会いしてましたよね。一緒に食事もしてましたけど、食欲もあったし、それほど落ち込んでいるようには見えませんでしたけど(笑)。
仰るとおりです。実店舗での売買が当たり前だったリユースが、スマホで完結するようになってしまったわけですから、恐怖を感じましたね。早くメルカリよりいいサービスを作らないと、実店舗型は全部潰れてしまうぞと。
なるほどなぁ。実際新しいサービスを作られたわけですか?
ええ。いろいろ試しましたね。例えばメルカリって、入金されるまでに1週間くらいタイムラグがあるんです。それを逆手にとって、即金でお渡しできるようなサービスを考えたり。
それはなりませんでした。オンラインは未開拓の分野でしたし、後追いしても時間的にも費用的にも難しいと判断しまして。というより、本来はリユース業界の人間こそがメルカリを発明するべきだったんです。それができなかった時点で、同じ土俵ではもう勝てないんだろうと。
なるほど。ただメルカリが生まれた頃、つまり10年くらい前というと、他のサービスもこぞってオンラインやデジタルの方に変化していた頃ですよね。
5年も! それはかなりしんどかったでしょうね。
なるほどなぁ。ちなみにどんなトライをしたんですか?
なるほど。本業の穴を埋めるほどにはならなかったと。アミューズメント性を取り入れた「遊べるリユースショップ」という発想もその頃出てきたんですか?
発見した時には成功するイメージはあまりなかったわけですか。根っからの商売人である倉橋さんでもわからないものなんですね。
対談している二人
倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表
株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。