第54回 オンラインクレーンゲームの楽しみ方

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第54回 オンラインクレーンゲームの楽しみ方

安田

最近はオンラインクレーンゲーム、いわゆる「オンクレ」というのが流行ってるみたいですね。


倉橋

けっこうブームになってきてますね。お客様は自宅で気軽に楽しめて、店舗も余った機械をうまく活用できる。いいシステムだと思いますよ。

安田

私、あんまり仕組みがわかっていないんですけど、もしかして「遠隔でリアルのクレーンゲームがプレイできる」ということでなんですか?


倉橋
そうそう、そういうことです。
安田
ああ、そうなんですね! 完全にデジタル化されたクレーンゲームなのかと思ってました。だから「なんでそんなものがおもしろいんだろう」と不思議だったんですけど。

倉橋

いわゆるネットゲームとは違って、実際に存在するクレーンゲーム機をPCやスマホで操作して遊ぶんです。

安田

へぇ〜、おもしろいことを考えつくなぁ。ちなみにいつぐらいから出始めたんですか?


倉橋

流行り始めたのはコロナ禍からですね。なかなか外に出れない中で、自宅で遊べるもののニーズが高まって。

安田
ああ、なるほど。でもそう考えるとわりと最近なんですね。ちなみに景品が取れたらそれはもらえるんですか?

倉橋

ええ。取った景品は後日自宅に送ってもらえます。

安田

そうなんですね! いや〜おもしろい。ゲーム画面で操作してるだけだとそこまでハマらない気がしますけど、リアルとつながっているとぜんぜん違うでしょうね。


倉橋
まぁ、「実際にクレーンでゲットした商品そのもの」が送られてくるわけではないと思いますけどね。
安田
ん? どういうことです?

倉橋
おそらくですけど、同じ商品が倉庫から送られてくるんじゃないかな。つまり、厳密に言えば「自分の取った景品」ではない。
安田

ああ、そうか。確かに1つ1つ現地から発送していたら大変ですもんね。うーん、でもそうなるとちょっと気分が下がるなぁ。やっぱり自分が取ったものを直接手に取る手触り感が欲しい気がします。


倉橋
そうですね。そこが今一つ爆発的なブームにはなっていない要因かもしれません。
安田

例えばすごく大きなぬいぐるみとか、実際のお店のクレーンゲームで取っても持って帰るのが大変ですよね。オンラインだったら取ったそのものを送ってもらえるとなればもっと流行りそうな気がします。

倉橋
それで言うと、リアルの店舗でも大きい景品を送るサービスはあるんですよ。でも皆さん、自分の手で持って帰りたいんですよね。
安田

へぇ。荷物になるのに持って帰るんですか。

倉橋

そうなんです。クレーンゲームの景品って、いわば「戦果」なわけです。だからなるべく皆に見せて歩きたい(笑)。

安田

ああ〜、なるほど。見せびらかしたいと(笑)。でもお店から一歩外に出たら、その戦果もただの大きな荷物ですよね(笑)。万代さんのお店の中だったら「あのクレーンゲームで取ったんだ!」と気づいてもらえて自慢になるでしょうけど。

倉橋
それでも見てもらいたいというのがお客様の心理なんですよ。だから万代のお店では、景品をお渡しする時に中身が見えるよう、必ず透明な袋に入れるようにしています。
安田

ははぁ、なるほど。そこまで気を配るわけですね。万代さんのロゴが大きく入った袋じゃダメなわけだ。

倉橋
ええ。中身がしっかり見えないとダメです。とはいえ万代の宣伝もしたいので、デザインはかなりこだわって作りましたね。
安田

「万代で取ったんだぞ!」ということが一目でわかるデザインということですね。

倉橋
仰るとおりです。自信作なので今度お見せしますね(笑)。
安田

ぜひぜひ(笑)。そういえば私もワイキューブ時代にビジネスバッグを作ってましたね。A4サイズの布製で、ロゴもわざとらしくないように入れてちゃんと使ってもらえるようにお洒落なデザインにして。

倉橋
うんうん、そういう潜在的にアピールするような宣伝って大事ですよね。ノベルティは使ってもらわないと意味がないので。
安田

本当にそうですよね。ちなみにオンクレで大きなぬいぐるみを取った場合も、透明の箱で送るんですか?

倉橋
いや、それはさすがに普通の箱で送ると思いますね(笑)。顧客心理って実に複雑で、買ったものを見せたい時と見せたくない時があるんですよ。
安田

ああ、なるほど。リアルの店舗で遊んで自分で持ち帰る時は見せて歩きたいけど、家に届く時に丸見えだとちょっと恥ずかしいわけですね(笑)。ちなみに万代さんでもオンクレを導入する予定はあるんですか?

倉橋
ニーズがあればというところですね。倉庫に預けているクレーンゲーム機があるので、それを使ってもいいかなとは思います。やるとしたらお客様が自分で取ったものを送るようにしてもいいですね。
安田

いいですね! それは売りになりますよ。ちなみにオンラインでも店員さんが付いてるものなんですか?

倉橋
どこも有人でやってますね。リアルの店舗と同じように、アシストしてくれたりもしますし。
安田

へぇ〜、そうなんですね。確かに、取った景品が出てきたときも「これが取れましたよ!」と見せてくれないと実感が湧きませんもんね。「当たった感」をいかに味わってもらうかは大事でしょうから。

倉橋
そうそう。そこはオンラインでもリアルでも同じですね。
安田

ちなみにオンラインとリアルでターゲット層は異なるんですか?

倉橋
いや、近いと思います。というよりは、クレーンゲームが好きな層がいて、その中からオンラインでやる人が派生しているというイメージです。クレーンゲームの種類によっても好みが分かれますし。
安田

なるほど。あとはクレーンゲームを好きな理由にもよるんですかね。スリルを味わうなら家でできたら便利だけど、「皆に見られながらやりたい人」はオンラインだとちょっと物足りない。

倉橋
そうそう(笑)。クレーンゲームの楽しみ方は、何人かでワイワイ盛り上がったり、1人でしっかり商品を狙ったりといろいろあるんですよね。
安田

ははぁ、クレーンゲームもなかなか奥が深いですね。


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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