庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第52回 お庭のリノベーションが100万円でできる理由
お庭のリノベーション、つまりリガーデンが100万円くらいでできるというお話でしたけど、例えば草がボーボーに生えていてもその価格なんですか?
草刈り自体はそこまで金額がかかる作業ではないので、あまり影響はありません。元々ある石を処分したり、木を全部抜いたりとなると変わってきますけれど。
なるほど。要するに「今あるものをそのまま使う」ならその金額ということですね。逆に「今あるものをなくしてほしい」という話になると追加費用がかかってくると。
そうなります。人件費や材料費がどれだけかかるか、という観点で考えてもらえればわかりやすいかなと。
とはいえ、素人からすると「どこから手をつけていいのやら」という物件も多いと思うんです。木も草も伸び放題で、何がなんだかわからないというような。そんな状態でお声がけして大丈夫なものですか?
そうですね。もちろんケースバイケースではありますが、意外と剪定するだけで見違えたりしますし。
ええ。中には「ぶつ切り」のようになってしまっている場合もあるので。すぐには自然樹形に戻らないので、何年も何年もかけて直していくことになります。
枝が伸びすぎたからといって、素人がポンポン切ってしまうと、あとで取り返しがつかなくなるかもしれないと。でも手つかずの庭って、木が茂りすぎてるだけじゃなくて、他の心配もありますよね。例えばマムシが潜んでいたり(笑)。
なるほど。確かにそこは庭師さんの仕事ではないですもんね。
お庭のリノベーションとしては、日差しが入って明るくなるように調整したり、防草シートを敷いて砂利を入れたり、というのがベースの工程となります。
そこまでは通常パックと言うか、別費用はかからないわけですね。美容院でいうと、しっかりシャンプーしてカットしてきれいに整えてあげるところまでですね。そこにカラーやパーマを追加すると別料金がかかるように、コンクリートで舗装したり、新たに石を貼る場合はお金がかかりますよと。
ええ、まさにそういうイメージです(笑)。わかりやすく説明してくださってありがとうございます。
ちなみに中島さんにお庭のリノベーションをお願いするとしたら、どのタイミングで依頼したらいいんですか?
まずは空き家を購入された状態でお見せいただけるとありがたいですね。
下手に手出しするよりもまずは見てもらった方がいいと。その方が中島さん流の雑木のお庭が作りやすいわけですね。
そうですね。基本的には、元々植えられている木を残してリノベーションできないかを考えますので、予算的にもリーズナブルにご提案できると思います。
オーナーさんだけじゃなく、空き家を売買している人も庭のリノベーションはした方がいいですよね。それだけでだいぶ高く売れそうな気がします。
ああ、そうですね。家の価値を高めるお手伝いができれば嬉しいです。ぜひお気軽にお声がけいただければと思います。
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。