社員はビジネスモデルの中でしか努力しようがない。これは厳然たる事実である。どんなに優秀な人でもダメなビジネスモデルの中では稼げない。儲からないビジネスモデルで10の努力をするより儲かるビジネスモデルで3の努力をしたほうが稼げる。これが現実なのである。
だから優秀な社員、努力を惜しまない社員は、どんどん転職したほうがいい。同じ能力、同じ努力なら、儲かるビジネスモデルを選んだほうが収入は増えるに決まっている。「儲かるビジネスモデルを考えるのも社員の仕事だろう」などと勘違いしてはいけないのである。
大企業レベルになるとビジネスモデルを考える社員も出てくる。だがその数はわずかだ。何百人、何千人といる同期の中のひとり、もしくはふたり。大会社の経営を担うエリート中のエリートだけが、ビジネスモデルの再構築に携わっていく。役職も報酬も役員クラスの人材だ。
そんな人材が中小企業にいるだろうか。大企業の役員並みの報酬を払えるだろうか。考えるまでもなく答えはノーである。つまり経営トップが自ら「儲かるビジネスモデル」を考えるほかないのである。人不足を解消する方法は根本的にこれ以外にはない。この現実と向き合うべきだ。
何度も申し上げているように、まじめで優秀な人材ほど転職を繰り返す時代になる。それがキャリア・アップしていくための正しい選択だからである。大企業社員以外にもビジネスモデルを考えられる人はいるが、こういうタイプはひとりでビジネスをやって稼ぐようになるだろう。
断言してもいい。数百万円程度の年収でビジネスモデルを構築できる人材は雇用できない。もっと稼げる会社に転職するか、自らビジネスを始めるか、どちらかである。そして真面目にしっかり働く人材ほど、より報酬の高い会社に転職していく。この流れは絶対に止められない。
答えは至ってシンプルだ。人を雇用する会社を続けたいなら今より儲かるビジネスを考えること。2倍の報酬を払っても今より儲かるビジネスモデルに乗り換えていく。間違っても今のビジネスモデルの中で努力しようと考えないこと。それは社長ではなく社員の仕事だ。
誰よりも早く会社に行くとか、率先して現場をやるとか、食事に連れていくとか。社員はそんなことを経営者に求めていない。もっと儲かるビジネスモデルを考え、もっと給料を増やし、もっと休みも増やしてほしい。望みはそれだけだ。それが出来ない経営者はもう人を雇ってはいけない。
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