「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。
第51回 年収700万円で独立し、1000万円のお店を構える世界?

前回の対談に続き、今回も「美容師さんの独立事情」についてお聞きしていきたいと思います。美容師さんが独立を考えるのって、技術力がついてきて、固定客も増えて、「これなら自分1人でもやっていけるぞ」と思った時ですよね?

なるほど。でも、かといって「技術があれば必ずお客さんが集まる」というわけでもないように思うんですよ。美容室はいかにリピート客を作るかだと岩上さんも仰っていましたけど、それも技術力だけの問題じゃないでしょう?

仰るとおりです。実際僕も、独立ではないですが新店舗の店長を任された時、ものすごく下手だったのにリピート客はたくさんついてくれまして(笑)。

仰るとおりだと思います。この対談でも再三にわたって「コミュニケーション」の重要性を話させていただいていますが、お客様がまた来たいと思えるような雰囲気づくりができなければ、せっかくの高い技術力も宝の持ち腐れでしょうね。

20年くらい前だったら500万円もあれば開業できていたんで、個人的には「ずいぶん高いなぁ」と思っちゃいました。でも今は材料費や人件費なんかが上がっていますから、それくらいの金額が妥当なんだと思います。

そうなんですよ(笑)。ただし独立する時の絶対条件が、売上の大半がリピーターのお客様で成り立っているという状態なので。そうすると、雇われている時に月60万円くらいなら、独立すれば月100万円くらいはいくだろう、と見込むわけです。

うーん…でも、たとえ100万円の売上があっても、そこから家賃や材料費なんかが差し引かれるわけですよね。しかも銀行から借り入れてお店を作っていたら、その返済もあるわけで。…やっぱり計算が合わないですよ(笑)。

そうなんですね。私はてっきり、独立して自分のお店を構えたら、2〜3000万円くらいポンッと稼げるのかと思っていました(笑)。いやぁ〜美容師さんの世界ってそうなっているんですね。興味深いお話をありがとうございました!
対談している二人
岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表
美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。