第284回 人を見るお仕事

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/人を見るお仕事

 

およそ20年近く「大手さんの研修機会」に携わっておりますが、「4年に1回ほど」、受講生についての愉快な「人となり紹介」をいただくことがあるのです。

・飛び抜けた明るさが魅力。理論よりパッションで生きるタイプ。その性格に助けられた若手は大多数

・温厚な性格で抜群の安定感。丁寧さと確実性がピカイチ。自由奔放な上司からの信頼があつすぎる

・頭脳明晰。◯◯部門の番人。全社会議では豊富なデータを披露しまくり、自部門のやりたいことを有利に進める

・生粋の大阪人として見られているが実は四国出身なことはあまり知られていない。言葉遣いは荒いが気は優しい

・会社きっての理論派。愛車のキャンピングカーで通勤し、週末はそのまま山へ籠り読書に耽っている

・社歴30年のベテラン。社のトピックをポツポツと語ってくれる生き字引。打ち解けると面白いエピソードをご披露いただける

・気遣い上手。いつも周囲をよく見て状況把握し、さりげない声がけを実践

・いじられキャラな愛すべき若手。人懐っこさも可愛いポイント

・ポーカーフェイスでズバッといいことを言う。アニメオタクで海外のフェスではちょっと知られた存在

・数字のことなら彼女にお任せあれ!データを駆使し、社長に提言する姿を度々見せる若手革命家!

上記は、某大手さんの「OJTトレーナー研修」で、受講生名簿に添えされた一言メモです。

「少しでも『受講生の人となり』が伝われば…」

「みんなで手分けして『各職場から聞こえてくる声』をサラッとまとめてみましたので、ご参考までに活用ください!」

と、若手の人事さんが手渡してくださったのです。

「サラッと」などとお伝えくださいましたが、「しっかり」と各職場の上司や同僚からヒアリングし、それらを簡潔におまとめくださっているのです。

「人事とは人を見る仕事」という言葉は、多くの企業で用いられており、実際に「人事の仕事」は、企業の「経営戦略」に基づき、「採用、育成、評価、配置」など、人に関するあらゆる業務を担いますが、

「人を見る」という言葉には、単に「外見や表面的な情報」だけでなく、その人の「個性やスキル」「仕事への意欲や将来性」など、「内面的な部分」までを感じとろう、という意味合いが含まれているんだぁと、学ばせていただいたのであります。
 

 

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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