この対談について
株式会社ワイキューブの創業・倒産・自己破産を経て「私、社長ではなくなりました」を著した安田佳生と、岐阜県美濃加茂エリアで老舗の葬祭会社を経営し、60歳で経営から退くことを決めている鈴木哲馬。「イケイケどんどん」から卒業した二人が語る、これからの心地よい生き方。
第131回 「スマホ条例」から考える、理想的なスマホの使い方とは
第131回 「スマホ条例」から考える、理想的なスマホの使い方とは

先日、愛知県豊明市でスマホの使用時間に関する条例ができましたね。

そうそう。たとえ罰則がなくても「なんで行政に指示されなきゃいけないんだ」「大きなお世話だ」みたいな声もたくさんあがっているみたいですね。鈴木さんは、スマホ使用について国や自治体が管理する必要があると思います?

僕みたいに地方に住んでいると車がない生活は考えられない一方で、乗り方が悪ければ凶器にもなり得ますよね。だからといって「車は人を殺してしまうから、乗っちゃダメ」とは誰も言わないでしょう。それと同じで、スマホも「使い方が大事」であって、使用時間を制限することが解決策ではないと思うんです。

そうそう。スマホ1台あれば勉強もできるし仕事もできますから。とは言え、無意識に依存してしまうのは、ちょっと問題かもしれない。今、電車に乗ると、若い子たちは皆、動画見たりゲームしたりしながらずっとスマホを触っているじゃないですか。

確かに僕も、乗り継ぎのルートや時間を調べるためにはスマホがないと困ります(笑)。今なんて、スマホを財布代わりに使っている人も多いわけでしょ? だから今更スマホを日常生活から取り上げようとするのは無理がある気がしますね。

僕もそうだな。出張でホテルに泊まった時ですら、絶対枕元にはスマホは置かないようにしてる(笑)。でもこれって僕らは大人だからできることなのかなとも思いますね。子どもにはなかなかここまでの自制心は望めないんじゃないかな。

うーん、難しいなぁ。でもどうせ「スマホを使うこと」からは逃れられないんだったら、スマホの良さも悪さも早くから知っておいた方がいいと思います。人ってどうしても何か「コト」が起きないと気づかないので。実際に何かが起きて、そこから学べることもたくさんあるのかなと思いますね。

なるほどなるほど。なんなら子どもの頃からスマホゲームやYouTubeなんかをどんどんやらせて、さっさと飽きさせてしまう手もあるかも(笑)。

確かに(笑)。それに、今は「提供される側」かもしれないけれど、そのうち「提供する側」になる可能性だってあるわけですし。何より今はもう、仕事探しだって全部スマホでできる。だからスマホを正しく使えないと、生きていくのが大変な時代だと思いますね。
対談している二人
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















