庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第117回 庭師が「人間国宝」を目指すべき理由

「人間国宝」の対象が拡大されたのはご存知ですか? これまでは芸能とか工芸技術のような分野で選ばれるものだったんですが、近々それに「生活文化」が加わるらしくて。

でしょう? さらに生活文化については「高度に会得している人」で、「正しく会得して精通している」という基準もあるらしいんです。この制度を作ることで、「そういう仕事に就きたいと思う人を増やす」という目的もあるそうで。

もし入るとしたら、私もいつもお世話になっている京都の会社の会長が入るかもしれません。「誰もが知っている有名な庭園」を多く手がけた人なので。それに比べて僕はお客様のご自宅のお庭を作らせていただくのが中心なので、あまり注目されないんじゃないかなぁ。

でもそういう方たちって、本当に限られた人たちじゃないですか。「人間国宝」の対象を拡大した狙いとして、先ほども言ったように「マーケット自体を大きくして働く人を増やしたい」という思いがあると思うんです。

そうそう。だから中島さんの人間国宝も、決して夢物語ではないと思うんですよ。個人的にも「借景」の文化などがもっともっと広まったらいいと思ってますから、ぜひ選ばれてほしいなぁと。
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















