人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。
第117回 「老衰」は100点満点の死に方か

先日、落合信彦さんが84歳で亡くなられましたよね。死因が「老衰」と発表されたんですが、それを聞いて、老衰とは何なのかと改めて考えてしまいまして。

そうなんです。同じくらいの年齢で亡くなっても、肺炎とか食道癌とか病名がつくこともあるじゃないですか。でも老衰と聞くだけで「天寿を全うされたんだな」と、何かみんなで祝福するような、100点満点の死に方みたいなイメージが湧いてくる。

そうそう。ただ結局、老衰って特定の病名がつけられなかったというだけの話なんですよ。もし3年後に新たな病名が作られたら、落合さんも老衰じゃなくなるかもしれない。そうなると途端に「まだ若いのに」という話になるわけです。

以前「50を超えたらもう老衰でいい」みたいな話もしましたよね。まぁ、一般的な感覚だと50代で老衰と発表する人はまずいないでしょうし、違和感はあるかもしれませんけど、私も本質的には同感です。

老いて衰退していくと書いて老衰ですから。何かしら体が衰えることでがんになったり病になったりする。わざわざ老化現象に別名をつける必要があるのかなと。白髪になったり髪が薄くなるのも正常な老化現象の一つですよね。

そうなんですよ。もちろん老化とは関係ない病気もあります。30代でがんになったら治療して長生きさせてあげたいと思いますし。でも老化が原因で発生する病気って、要するにそれは「老化の一部」でしょという感じがするんです。

めちゃくちゃ楽になりました。50代までは理由もなく体が痛むと「何か変な病気じゃないか」と不安になっていた。でも60を超えたら「いや、だって60だもの」と思えるようになって。むしろ「自分は正常だ」と安心するんですよ。

そこは私も考えさせられるところで。正直に言うと私は検診もちゃんと受けるタイプなんです。でも父は全く逆でして。今81歳ですけど検診には一切行かない。何かあったら「お迎えが来た」という感覚で、趣味の旅行を楽しみながら緩く仕事も続けています。

お医者さんは万能だと思ってる人が多いですけど、結局は人間が自分の体の機能で治ろうとするのを手助けしているに過ぎない。年をとるとその機能自体が落ちてきて、自然と死に近づいていく。これはもう自然現象だと思います。

だから私は死んだ後に勝手に解剖して「死因はがんでした」みたいにするのはやめてほしい。痛みがあれば医者に行きますけど、長生きのための医療じゃなくて、痛みを取る医療でいい。希望は老衰です。頼むから老衰と発表してくれと(笑)。

それともう一つ、脳にできた場合を除いて、多くのがんは末期まで頭がしっかりしているらしいんですよ。体は蝕まれて動かなくなっても、脳がクリアだから人とコミュニケーションが取れるし、頭を使う仕事は晩年まで続けられる。
対談している二人
藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表
1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















