郵便ポストが赤いのも、電信柱が高いのも社長の責任だ。という有名なコンサルタントの言葉がある。コンサルタントだから言えると思う一方で、これほどの真理はないとも納得してしまう。要するに究極の客観視点で経営をとらえた言葉であり、経営における究極の正論を述べた言葉なのである。
誰が言ったかは重要ではない。おっしゃる通り「郵便ポストが赤いのも、電信柱が高いのも、経営者の責任」なのだ。梅雨に雨が降るのも、ガラパゴスゾウガメが絶滅しそうなのも、水が100度で沸騰するのも、すべて経営者の責任である。なぜなら自責というものには限界がないから。
いやいや、いくらなんでも限界はあるだろう。ゾウガメの面倒まで見ていられないぞと言われそうである。だが経営者の自責に限界はない。限界がないと確信していなくてはならない。なぜなら他責にした瞬間に思考が止まってしまうから。「それは私の仕事ではない」と考える社員と同じになってしまうから。
詰まるところ問題を抱える経営者は皆他責なのである。給料が増やせないとか。価格が上げられないとか。社員がすぐ辞めるとか。誰かが裏切ったとか。問題を自分の外側に置いているからいつまで経っても解決しない。雨が降らないのなら水を撒けばいいし、気温が低いならビニールハウスを作ればいい。
悪いのは天気でも季節でもなく工夫しない自分自身である。と、経営者は考えなくてはならない。なぜならそう考えないと課題を解決できないからである。「人が集まらなくて困る」ということなら、人が集まる待遇や、人がやりたがる仕事内容や、人が楽しくなる労働環境を用意すればいいだけである。
「この業界やこの地域では難しい」ということなら、地域や業界を変えればいい。「今の顧客には値上げを要求できない」ということなら、新たな顧客を開拓すればいい。「今の商品ではこれ以上高く売れない」ということなら、新たな商品を作ればいい。要するにそれをやろうとしないのは他責だからである。
99%の自責には意味がない。なぜなら1%は他責だからである。1%でも他責思考があると「これは自分の責任ではない」と人は考える。自責には100%しかない。だから郵便ポストが赤いのも、ガラパゴスゾウガメが絶滅するのも、すべて経営者の責任なのである。99%の自責人間は他責人間なのである。
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