その239 嫌われて得する

むかしから「悪名は無名に勝る」という言葉がございます。

しかし、世の中のみなさまがまず行うのは、「目立たない」「敵を作らない」ことです。
人はメリットに正直な生き物ですから、ほんとうに悪名でもメリットに富むなら、とにかく目立つことを優先した、とがった立ち振る舞いが最適解であるはずです。しかし、実際にこちらを選ぶ人はほとんどいません。単純に、敵を作るのはデメリットだからです。

100人の知人のうち、10人を味方に、90人を敵にしたとき、協力がたいして得られないわりにはどこでなにをされるかわかったもんじゃなくなります。だから、敵対しないようにまずは心がけます。その前提として「目立たない」ようにしているのかもしれません。

しかし、それが直接の面識から距離が離れていくと話が変わります。

名前を知るか知らないか、くらいになると、「敵でないこと」から「リスクがあっても味方にすること」にインセンティブが移動していきます。さらに距離感が遠くなると、存在を認知されることからすべてが始まる、といっていいほどの状態にたどり着きます。

つまりSNS社会ですね。

見知らぬ100人に「ふつうの人」と思われるよりも、100人のうち10人に興味を持たれ、90人に嫌悪感を持たれる方があきらかにトクをする。その10人が自分になにかを与えてくれる可能性があるからです。

対象を100人からアルゴリズムで1000倍にできれば、実際に実益が生まれる事例が出てくるでしょう。逆にアンチ、もしくはアンチ寄りの9割も自分のメディアを見ている時間が長ければファンと変わません。
なにより、嫌悪感をもった人がどんなに過激化しても、現代社会で直接的なダメージを与えるためにはかなりの負担を当人に課すことになります。
タダでできるのはコメントまでだし、その攻撃は効かない相手には届きません。あと、やりすぎれば誹謗中傷です。

有料メンバーシップに入るのは秒単位でできますが、憎んだ相手をなにかしら「害する」のには膨大な労力とリスクが発生します。
ものすごく嫌われるということは、大きな利益の畑を持つということ。

この「スキ」と「キライ」の非対称性は、人数の比率とは比較にならないのです。
 

 

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著者自己紹介

「ぐぐっても名前が出てこない人」、略してGGです。フツーのサラリーマン。キャリアもフツー。

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