第398回 子どもNISAが変える未来

この記事について 税金や、助成金、労働法など。法律や規制は、いつの間にか変わっていきます。でもそれは社会的要請などではないのです。そこには明確な意図があります。誰が、どのような意図を持って、ルールを書き換えようとしているのか。意図を読み解けば、未来が見えてきます。

第398回「子どもNISAが変える未来」


安田

子どもNISAって、親の稼ぎの中から積み立てるんですよね?親の税金を安くするために。

久野

いえ。違います。親の税金は安くなりません。

安田

え!そうなんですか。じゃあ子供NISAの資金はどこから出てくるんですか?

久野

元々、本人が財産を持っているケースもあるじゃないですか。

安田

子供が財産を持ってる?それは、お年玉とかで?

久野

お年玉もそうですし、例えば過去に贈与を受けたとか。

安田

対象年齢は0歳から17歳ですよ。この年で贈与なんてあるんですか。

久野

なくはないですね。

安田

それを運用するってことですか?

久野

そうです。その運用益に対して一定免税になるってことです。ただし注意しなきゃいけないのは子供に財産を渡すと贈与税がかかること。そこはちゃんと申告しなきゃいけないです。

安田

贈与税って、確か一定額までは免除されますよね?

久野

はい。贈与税は一人当たり年間110万円までは非課税です。基礎控除や生活費、教育費の都度贈与など一定の要件を満たすことで非課税になります。

安田

じゃあ年間100万円ずつ贈与して子どもNISAで運用するのが理想ですか。

久野

いえ、枠があって。全体で600万円です。年間の上限額も60万円と決まっています。つまり月5万円×10年が上限ですね。

安田

なるほど。ちなみにこの目的って何ですか。

久野

子どもNISAの目的は所得の移転ですね。人間って歳をとるほど、どんどんお金使わなくなるじゃないですか。

安田

はい。そういう実感はあります。

久野

なので、おばあちゃんが孫に渡すとか。そういうキッカケにしたいんだと思います。税制を有利にして。

安田

高齢者の「タンスに預金を活用しよう」ってことですか。

久野

そう。タンス預金だと増えないし。600万円を孫に移転することで孫が投資する。日本株に投資してくれれば日本経済も活況になる。これが基本的な狙いです。

安田

なるほど。高齢者の貯金を孫にあげちゃって、孫名義で運用して「増やした方がいいじゃん」ってことですね。

久野

そこから普通のNISAにも移行できるし。

安田

でもその年齢だと自分では運用できないですよね。きっと運用は親がやるんでしょうね。

久野

そうなるでしょうね。

安田

高校や大学に行くときには運用したお金を使って。奨学金という名の借金が問題になっていますし。

久野

そうですね。学費につかったり、仕送りの代わりにしたり。正直、将来どうなっているか分からない時代なので。

安田

2〜3年先も分からないですもんね、今は。

久野

そうなんですよ。だから子供が小さいうちから、ちゃんと資産形成しておいてあげる。0歳からやれば1億円貯まる可能性もあります。

安田

1億円!?

久野

60歳ぐらいまで運用した数字ですけど。不可能ではないです。

安田

0歳の時から60歳に備えるんですか!

久野

備えなくちゃいけない時代なんですよ。ただ課題もあって。さらに所得格差が広がる可能性がある。

安田

子どもNISAができる家とできない家ってことですか。

久野

だって月5万円は大きいですよ。そもそも親のNISAもまだ埋まっていない状況なので。

安田

確かに。でも不思議ですよね。少子化が続くってことは、普通に考えたら4人の祖父母の資産が一人の孫に集まるわけじゃないですか。

久野

そうですね。

安田

そしたら、どんどんリッチになっていきそうな気がするんですけど。月5万なんて余裕じゃないかって気がします。

久野

高齢者にも貧富の差がありますから。その差が益々顕著になるってことじゃないですか。

安田

なるほど。それは深刻ですね。

久野

深刻だと思います。富裕層がどんどん子供を作るとは限らないし。

安田

お金がない人が意外と子だくさんだったりしますもんね。

久野

そういう子供達のNISAを集めるプラットホームがあればいい。自動引き落としみたいな感じで。余裕のある高齢者が登録すると毎月一定額が子供の口座に入っていく感じ。

安田

いいですね。一定以上の資産を持っている高齢者はこどもNISAに自動的に何%か引き落とされるとか。みんなの子供にしていく。

久野

理想的な所得の再分配ですね。ただ個人的にはNISAよりiDeCoの方がいいと思いますけど。

安田

どう違うんですか?NISAとiDeCoって。

久野

NISAはいつでも下ろせるんです。iDeCoは60歳まで下ろせない。

安田

なるほど。確定拠出年金と一緒ですね。

久野

はい。子供が生まれたら国が500万円ぐらい入れてあげればいいと思います。

安田

60歳までは下ろせないようにしておいて。

久野

あまり早く受け取りすぎると色々問題が起きそうなので。

安田

60代になったら無駄遣いもしなくなっていきますもんね。国として定年退職金を積み立てて運用してあげる感じですね。素晴らしい。

久野

生まれた時から500万を運用すれば1億ぐらいになるんですよ。そうすればいろんな社会課題も解決していくと思います。

安田

これを公約にする議員さんが出てきて欲しいです。

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久野勝也 (くの まさや) 社会保険労務士法人とうかい 代表 人事労務の専門家として、未来の組織を中小企業経営者と一緒に描き成長を支援している。拠点は愛知県名古屋市。 事務所HP https://www.tokai-sr.jp/  

安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

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